香川県の小学生がオリジナルの「バラ寿司」づくりに挑戦。このバラ寿司づくりの前には「食材」についても学びました。
食を通して、生産者の思いなど、その背景を知ってもらいたいと、KSB瀬戸内海放送が企画した「じぶんで考える食の学校」。
11月23日、香川県の小学4年~6年の合わせて20人が乗り込んだのは「小豆島行き」のフェリーです。
小学生たちはこの日、小豆島を巡って、いろいろな食材について、生産者の話を聞きます。
(川池瑛太くん[小4])
「オリーブとか収穫するのが楽しみです。すごくドキドキしてる」
まず訪れたのは「オリーブ」を栽培している東洋オリーブ。ここでは実際にオリーブの収穫を体験しました。
(児童)
「箱いっぱいにするのが本当に大変っていうのが分かりました。(Q.オリーブ触ったの初めて?)初めてです。ツルツル」
続いて訪れたのは……木桶を使ったしょうゆ造りを続けている「ヤマロク醤油」です。
(ヤマロク醤油 五代目/山本康夫さん)
「木の桶の表面にいっぱいたくさんついてるもの、皆さん分かりますか。これがおしょうゆを造る菌、乳酸菌と酵母菌なんですね。実はこの辺り菌飛んでるんで、みんなうちの乳酸菌と酵母菌を吸っている」
ここではちょっと変わった体験も……。
それが木桶のタガを回す「タガフープ」。重くて苦戦する子がほとんどでしたが、中には上手に回すことができた子もいました。
続いて、訪れたのは……。
(小豆島長命草の会/河端直之さん)
「とっても栄養価の高い野菜なので、皆さんにぜひ食べていただきたいなと思っています」
長命草(ちょうめいそう)の畑です。
小豆島での長命草づくりは、海に囲まれている島で塩害に強い野菜を作ることなどを目指して、小豆島の複数の会社の代表や香川大学の教授らが、10年ほど前に始めました。
児童たちは長命草を収穫したあと、味見をしました。
(児童は―)
「味は、やっぱり独特の野菜感がある」
「ちょっと苦いけどおいしい」
(小豆島長命草の会/河端直之さん)
「細かく刻めば薬味として使えるので、しその替わりとか、香りづけというところはあると思いますし、何か甘いものとあえたものを横につけるものであれば、清涼感や香りを楽しんでいただける」
収穫だけではなく肥料をまく体験もした児童たち。この肥料に入っているのが……。
(小豆島長命草の会/河端直之さん)
「しょうゆを搾ったかすというのは人間が食べることはできません。長命草はあれをもらうとすごく元気になります」
子どもたちは別の日には、さぬき市の漁協などを訪ねて魚などについて学びました。
2日間にわたっていろいろな生産者の声を聞いた子どもたち。4つのグループに分かれて、それぞれオリジナルの「バラ寿司」を考えました。
与えられたテーマは「健康面を考えて作ること」です。
子どもたちは東京の日本料理店の店主・林亮平さんと女将・紗里さん、香川短期大学の学生らのサポートを受けながら挑戦しました。
2023年6月に愛媛県から香川県に引っ越してきたという浦嶋里実さん(小5)のグループは、運動不足の人のための「バラ寿司」を作っていました。
こだわりポイントが……。
(浦嶋里実さん[小5])
「白いご飯だと炭水化物が多いので、玄米と一緒に混ぜて酢飯を作ります」
さらに……飾りには小豆島で収穫を体験した「長命草」を使います。
ちなみに小豆島を訪れた翌日、里実さんは長命草を使ったギョーザを家で作ったそうです。そんな里実さんのグループが作ったのが、浮き輪をイメージしたバラ寿司です。
(浦嶋里実さん[小5])
「カラフルに水泳の道具を意識した物を、食べ物で作っていきたい」
ゆでダコで作った「ビーチサンダル」もあります。
このほか、オリーブハマチをスライスして筋肉ムキムキの腕を表現したグループや…
長生きを願って「長命草」や「レンコン」などを使って「亀」を作ったグループ。
ブロッコリーやトマトで作った林の中に安らぐための「枕」を作ったグループもありました。
子どもたちは、それぞれのグループが作ったオリジナルのバラ寿司を食べ比べしました。
さらに最後は日本料理店を営む林さんが4つのグループのバラ寿司を組み合わせて、1つのバラ寿司を完成させました。
(てのしま 店主/林 亮平さん)
「なかなか料理人でも難しいことですよ、今回のテーマっていうのが。それをクリアしてくるっていうすごいなと思いました。旬のもの、地元のものを考えてもらいたい、それだけで健康で非常にいいお料理ができるんじゃないかと思います」
生産者の話を聞いたり、バラ寿司を作ったりする中で、子どもたちは自分自身の変化を感じているようでした。
(竹林蓮翔くん[小4])
「エビの皮をむくとか細かく切ることとか、料理が上手くなった気がします」
(川池瑛太くん[小4])
「みんなとも友情がとても深まったと思って、いいなと思いました」