岡山大学と岡山市の企業が人工知能「AI」を使って、胃がんの診断をサポートするシステムを開発しました。
このシステムは、岡山大学学術研究院医歯薬学域の河原祥朗教授と、情報通信技術を活用した事業に取り組む岡山市の「両備システムズ」が共同で開発したものです。
胃がん患者の内視鏡検査の画像を6枚ほどAIに読み込ませると、わずか1分足らずで腫瘍がどれぐらい深く広がっているのか、いわゆる「深達度」を診断します。
このAIは胃がん患者500人分の内視鏡検査の画像、約5000枚を学習していて、8割ほどの確率で正しく診断できるということです。
両備システムズによりますと、専門医が内視鏡検査の画像を見て診断するよりも、正確さが1割ほど上がるということです。
これによって胃がんの深達度に応じて内視鏡治療を行うか外科手術を行うかをより的確に判断できるようになり、患者の負担軽減につながるとしています。
(岡山大学学術研究院医歯薬学域/河原祥朗 教授)
「内視鏡医が困っていた深達度診断を手助けしてくれるということで、それが日本、世界に広がることで患者さんの治療の役に立てば」
このシステムは3月5日、医療機器として製造・販売することが認められました。両備システムズは2024年中に販売できるようにしたいとしています。
(両備システムズ/青木勉さん)
「実際にいくつかの病院やドクターに使ってもらいながら日本全国、世界に広げていきたいと考えています」