養殖技術などの発展に期待が高まります。AI(人工知能)を活用し、泳いでいる魚の大きさを瞬時に計測できる技術を岡山大学のベンチャー企業が開発しました。
(記者リポート)
「このように、水槽の横に設置された2台のカメラを使って、泳いでいる魚に直接ふれることなく、リアルタイムで大きさを計測することができます」
岡山大学のベンチャー企業「ビジュアルサーボ」の見浪護特命教授らが開発した新しい技術で、22日に公開実験が行われました。
まずは、あらかじめ撮影した「メダカ」のモデル写真をAIに認識させます。
水槽を泳ぐ魚の中から、カメラがモデル写真とマッチするものを見つけると自動的に撮影する仕組みです。
視点の異なる2台のカメラが撮影した映像をもとに、コンピューターが魚の位置や姿勢を算出し、大きさを割り出します。魚が群れている場合や他の種類と混じっている場合でも、高い精度で計測できるということです。
(岡山大学学術研究院 自然科学学域/見浪護 特命教授)
「人間とか動物と同じように、2つのカメラを使って『視差』ですね、左右の見え方の違いを工学的に利用した魚の計測方法です。水中は(物体の計測が)特に難しくて、今までなかった技術だと言っていいと思います」
魚にダメージを与えることなく自動で大きさを測れるこの技術は、養殖業界などでの活用が期待されています。将来、実現すれば、私たちが消費する魚の鮮度や価格にも変化が起きるかもしれません。
見浪特命教授によると、水中カメラを使った計測も可能で、マグロなどの大きい魚にも応用できるということです。