高松市に映像を制作する巨大なスタジオが完成しました。ハリウッド映画をはじめ、ドラマやCMでも使われる「バーチャルプロダクション」とはどんな技術なのか、体験してきました。
(記者リポート)
「私は今、近未来都市にやってきて快適なドライブを楽しんでいます……というのは嘘で、こちらはバーチャルのセットなんです」
高松市上林町に6月に誕生したスタジオ「SITE‐V」。スタジオの中にそびえ立つのは中四国最大級、高さ6m、幅10.5m、LEDのスクリーンです。この設備が可能にしたのが「バーチャルプロダクション」です。
(記者リポート)
「こちらのセットにはバック面の他に天井、そして右と左にもパネルがあります。こちらの映像があることによって車体にその映像が写り込んでよりリアルな映像を撮影することができます」
バーチャルプロダクションの特徴は自動車などの被写体とCGで作った背景の映像を同時に撮影できることです。
被写体と背景をあとから合成する手法と比べて自由なカメラワークが可能なため、架空の世界に入り込んだかのような臨場感のある映像を作ることができます。
バーチャルプロダクションはハリウッド映画をはじめ日本のドラマやCMの撮影などにも使われています。
7月17日には、岡山市でCGデザインなどを学ぶ専門学校の学生 が訪れ、興味深そうにスタジオを見学していました。
学生「LEDはいくらぐらいする?」
スタッフ「お金?まあ、お家(が建てられる)くらい」
(専門学校生)
「何か、触るのも恐れ多くて値段を聞いた瞬間。(Q.カメラはいくらだって?)1千万円」
「普段触っているカメラと機能性が全然違うのでそういうので値も高くなっている 本当にびっくりしました」
「好きな場所も時間も気にせずに 天気も気にせずに好きな所で好きなものを撮れるのがすごくいいな」
実はこのスタジオ、解体現場などで使う破砕機や切断機などを製作・販売している岡山市の「タグチ工業」のグループ会社「G‐WORKS」が手掛けています。
タグチ工業は10年以上前から製品の紹介動画などをつくっています。
「もっと格好良くうちの商品を撮影したい!」。そんな思いでたどりついたのがバーチャルプロダクションでした。
(G‐WORKS/吉川賢司 社長)
「現時点でバーチャルプロダクションスタジオ自体は本当に東京近郊にしかなくて、こういった撮影をもししたとなったら人件費も含めて高額なので」
「近くにないならつくればいい」と建設した2階建ての撮影スタジオ。広さは延べ約450平方メートル、天井の高さは9mで、大型の建設機械や小型船舶などを入れて撮影ができるようにつくられています。
(G‐WORKS/吉川賢司 社長)
「BtoBの仕事に集中していくために何かしら起爆剤が欲しいというところで、こういうバーチャルプロダクションスタジオを導入して。瀬戸内海のロケーションを撮りためてここで素材として使うことができるのでそういったコンテンツを発信することによって、香川に人が来ていただいくとか理想」