大正から昭和初期にかけ、岡山県で本格的な創作活動を行った女性画家の作品展が岡山市で開かれています。
目に飛び込んでくる、鮮やかな花々。岡山県で創作活動を続けた画家、波多野華涯(かがい)の作品です。3幅の掛け軸には春、夏、秋と、季節の花々が咲き乱れています。
華涯の没後80年を記念した回顧展には、初公開作品を含む、華涯とゆかりのある画家の作品など約90点が展示されています。
大阪に生まれた華涯は、東京などで絵を学んだ後、50代後半から晩年まで、岡山県で創作を続けました。
(記者リポート)
「14歳のときに明治天皇の前で描いた作品ということで、羽の先まで細かくて、濃淡も美しいですね」
白とピンク色の花が向き合うように咲いていて、書き入れられた漢詩にその風景が描写されている作品もあります。
縦長の掛け軸が多い華涯の作品。写実にとらわれない高いデザイン性が、リズミカルな印象を与えています。
華涯は82歳で生涯を閉じるまで作品を描き続けました。
(岡山県立美術館 学芸員/森田詩織さん)
「いろんな色も使いますし、墨一色でも描き上げることができて筆の力が非常にある画家。岡山でこういう人が活躍していたんだなと、人気だったんだなというところを皆さんに見てほしい」
この展覧会は8月25日まで開かれています。