広島への原爆投下後に降った、いわゆる「黒い雨」を巡り、被爆者と認められなかった岡山市の84歳の女性が岡山県に対し、被爆者と認定することなどを求めている裁判です。原告側は県に対し認定しなかった理由などについて釈明を求めました。
(原告の女性[84])
「(母親から)何があったかわからんけど早く帰ろうと、帰り出したら黒い雨が降り出して、私の着ていた服が真っ黒になりだしたので、(母親が)『帰ったらすぐに洗ってあげるから大丈夫』と言ってくれた」
当時4歳だった原告の女性が黒い雨にあったとされる、当時の広島県津田町で7月に撮影された映像です。
訴状などによりますと、岡山市の84歳の女性は1945年8月6日に「黒い雨」をあび、2024年3月、岡山県に被爆者健康手帳の交付を申請するも却下されました。
これを不服とし、県に却下の処分の取り消しなどを求め岡山地裁に訴えを起こしています。
県は原告の供述内容を客観的に確認できる資料が見当たらないなどとした上で、「当時いた場所に黒い雨が降ったことは確認できない」と請求棄却を求めています。
19日に行われた岡山地裁での第2回口頭弁論で原告側は、被告側が求める客観的資料がどういったものなのか。また、原告の供述内容についてどういった評価で却下したかなどの釈明を岡山県側に求めました。
次回期日は11月25日です。
(「黒い雨」岡山訴訟弁護団/則武透 弁護士)
「科学的に立証することが果たして被害者の救済につながるのか。戦後80年たって救済されない人がいるということが本当にいいのかというのが問われる裁判」