8月15日の全国戦没者追悼式に、岡山県として過去最年少の12歳で参列した中学生が備前市にいます。追悼式を経て感じたこととは。
備前市の中村大翔さん、12歳。土木や建築などに携わる陸軍の工兵隊員だった高祖父の的野政太郎さんが1945年7月、妻と3人の子どもを残しフィリピンのルソン島で戦死しました。
(中村大翔さん)
「写真とか、まだ顔とかが若いから、結構早くに亡くなっているんだなと思いました」
2025年岡山県から全国戦没者追悼式に参列した遺族は60人。中村さんは岡山県としては過去最年少です。
(兄がブーゲンビル島で戦死/羽根岡洋子さん[86])
「彼が一番最年少。私が一番高齢者です。よろしくね。やっぱり彼らに知ってもらって、今後戦争せんようにしてもらわないといけない。戦争しちゃいけんよ、もう絶対」
(岡山県遺族連盟/三宅禎浩 理事長)
「戦後80年が経過して、戦争を体験した人がどんどん減っている。われわれ遺族会も今後維持をどうしていくかが大きな課題」
中村さんは2023年、祖父と備前市の戦没者追悼式に出席。政太郎さんや戦争について興味を持ったといいます。そして今回、誘いを受けて参加することにしました。
(中村大翔さん)
「戦争で亡くなった方々の気持ちをちょっと考えながら行きたい」
国によりますと、8月15日に東京の日本武道館で行われた全国戦没者追悼式には遺族3358人が参列。8日時点で参列を予定していた遺族のうち、戦後生まれの割合が今回初めて半数を超えました。また、戦没者の配偶者はコロナ禍だった2021年を除いて初めてゼロとなりました。
中村さんは参列者の話に耳を傾け、献花の様子を見る中で戦争について思いを巡らせたといいます。
(中村大翔さん)
「全国でいろんな人が亡くなっているんだと知りました。戦争に行った人は、行きたくなかったけど、嫌でも世の中のことを考えて亡くなっていったと思いました。悲しいから戦争はやめてほしいなと思いました」
中村さんが望む世界は。
(中村大翔さん)
「すぐに戦争するんじゃなくて、話し合って仲良くすればいいかなと思いました。世界が仲良くなって、戦争とかもなくなって、いろんな人と関わりながらやっていきたいと思います」