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岡山県初の公立夜間中学で入学式 十分に義務教育を受けられなかった人の学び直しをサポート

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 岡山市が開設した県内初の「公立」の夜間中学で8日、入学式が行われました。学び直しを支える役割が期待されます。

 岡山市が開設した公立夜間中学、「岡山後楽館中学校 夜間学級」には、10代から80代までの12人が入学しました。夜間中学は、さまざまな事情で十分に義務教育を受けられなかった人の学び直しの場です。

(新入生代表/河樑守さん)
「私たち新入生は、学び直す機会が得られることに感謝し、みんなが安心して学び続けることができる学級をみんなで作りたい」

 公立夜間中学では昼の中学校と同じように免許を持った教員が授業を行い、全ての勉強が終われば卒業資格を得ることができます。

 新入生は、新しい教科書を手にそれぞれの思いを新たにしていました。

(新入生[50代])
「新聞配達しながら中学に通っていたので、眠気が勝ってしまって本当に勉強できていなくて。それが埋められると思い、通ってみようと思いました」

(新入生[10代])
「まず学習面で自分に身につけられるものを身につけようと思って。それと並行して良好な人間関係も築けたら」

(岡山市/大森雅夫 市長)
「さまざまな事情、これは本当に一様ではありません。もう1回学び直したいとそういう気持ちで夜間中学に入っていただいたわけです。それに我々も応えていきたい」

 学び直しの場は他にもあります。

 2017年に設立された「岡山自主夜間中学校」は民間が運営していて、ボランティアのスタッフが300人以上の生徒のニーズに合わせた授業をしています。ここでは中学の卒業資格は得られません。

 5日、奈良市の夜間中学で読み書きを学んだ西畑保さんが特別授業を行い、自分の体験をもとに、学ぶ楽しさを伝えました。

(特別授業を行った/西畑保さん[89])
「毎日読み書きのことばかり。定年になって65歳になった時、夜間中学のことを知った。夜間中学で勉強して妻にラブレターを書こうと思って」

 ひたむきに学ぶ西畑さんと、それを支えた妻の日常は物語となって映画化され、3月に公開されました。

(自身の学び直しが映画化された/西畑保さん[89])
「(岡山市に公立夜間中学ができて)心から喜んだ。僕の人生は、夜間中学があったから今の人生がある気がします」

(岡山自主夜間中学校/城之内庸仁 代表)
「10年近い取り組みの中で夜間中学という言葉が浸透し、行政が大きく動いて公立夜間中学を設置するまでになった。自主と公立は車の両輪のように私はこれからも岡山市とともに協働していきたい」

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