JFEスチールは10日、岡山県倉敷市にある西日本製鉄所に世界最大規模の「電気炉」を導入することを決めたと発表しました。
JFEスチール西日本製鉄所(倉敷地区)には、現在、鉄鉱石を溶かして鉄を取り出す「高炉」が3基ありますが、このうち1基を高効率・大型の「革新的電気炉」に転換します。
生産能力は年間200万トン程度の世界最大規模の電気炉で、3294億円を投資して2028年度の生産開始を目指します。
従来の高炉からCO2排出を削減する革新的な電炉への転換を目指す経済産業省の支援事業に採択され、上限1045億円の補助金交付が決まりました。
電気炉は電気エネルギーを熱エネルギーに変えて加熱するため、エネルギーの無駄が少なく効率的で、煙やほこり、二酸化炭素などを発生させないクリーンな環境を生み出します。
JFEスチールはカーボンニュートラルの実現に向け、小型の電気炉などの試験設備で実証実験を行い、高品質・高効率な溶解技術の開発を進めています。これらの技術と低炭素還元鉄の活用により、従来の大型電気炉が製造し得ない電磁鋼板や高張力鋼板などの大量生産を目指すとしています。