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戦争の恐怖はいつまでも消えない 岡山空襲から80年…当時小学生だった男性らが体験語る

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 1945年6月29日に起きた岡山空襲からまもなく80年です。当時小学生だった男性が14日、自らの体験を語りました。

(岡山空襲を体験した/阿部洋さん)
「焼けただれた人もまだ息のある人もおられた。それは悲惨なもんです、何とも言えません。ですけど、手を差し伸べることはできないと思います、あの状態でしたら。自分がどうなるか分からないので逃げるのでみんな一生懸命」

 岡山市中区の阿部洋さん、87歳。1945年6月29日、アメリカ軍のB29が落とした焼夷弾で自宅を焼かれ、着の身着のまま家族6人で親戚の家に避難しました。阿部さんは当時7歳でした。

(岡山空襲を体験した/阿部洋さん)
「焼夷弾が落ちて、それがパーッと散るわけです。花火を見るようできれいでした。きれいだなって見ていたんです」

 午前2時43分、深夜に始まった岡山空襲は約1時間半続きました。少なくとも1737人の命が失われ、市街地の63%が焼失したとされています。その後、わずか2カ月足らずで日本は終戦を迎えました。

 戦時中の国民学校では、とがった竹やりで敵を殺す訓練をさせられたという阿部さん。日常にあった戦争の恐怖はいつまでも消えることはありません。

(岡山空襲を体験した/阿部洋さん)
「戦争は絶対にどんなことがあってもしてはいけない、殺し合いですから。思いやりと感謝の気持ちそれがあれば絶対に戦争は起きません。そういう気持ちで皆さんもこれから過ごしていただければ」

 参加者の中には、阿部さんと同じように子どもの頃に岡山空襲を体験した人もいました。

(岡山空襲を体験した参加者)
「(病院に)ものすごい焼けただれた人がたくさん来たんです。その人たちを見ていたら、ハエが止まってウジがわくんです。『うーん、うーん』ってうなるのを聞いたんですけどその人たちは一体どうなったんだろうと思うんです」

(岡山空襲を体験した参加者)
「(岡山空襲で逃げる時)連れて歩いてくれた兄が小学5年生でした。彼は死ぬまで戦争の話は絶対しません。だから、皆さん方も家族の人でも、本当のことが分からないのではないか。(体験した人は)悲しいから言わない」

 10代や20代の若い世代の姿も見られました。

(大学生)
「僕が7歳の時にそういう体験したら話したくないと思うんです。そんな中で今日は話してくださって感謝の気持ちでいっぱいです。教育学部の人間なので平和学習に生かせたら」

(高校生)
「本当にリアルな実態、目で見た事実を伝えられて初めて聞くこともありましたし本当の恐ろしさがひしひしと伝わってきた」
「まだ高校生だからとか、自分にできることってあまりないのかなって思っていたんですけど、若い人たち、戦争を知らない人たちにどう伝えていくか、自分にできることを真剣に考えていきたい」

 今回の「岡山空襲体験談を聞く会」は、岡山シティミュージアムで7月6日まで開催中の「岡山戦災の記録と写真展」に合わせて行われたものです。期間中、学芸員による展示解説も行います。

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