自民党の平井卓也衆院議員が政治資金パーティーを巡る報道や映画で「名誉を傷つけられた」としてKSB瀬戸内海放送や映画監督などに損害賠償を求めた民事裁判が5日、高松地裁で始まりました。被告側はいずれも争う姿勢を示しました。
訴状などによりますと、平井卓也議員は自身が代表を務める政治団体が2020年に開いた政治資金パーティーを巡り、政治資金規正法違反の疑いがあるとして22年に刑事告発され、25年1月、不起訴になりました。
告発のきっかけになったのは、香川県内の会社に送られた「チケットご購入依頼の件」という文書です。文書には「依頼枚数」として1枚2万円のパーティー券を10枚、20万円という金額を記し、その下に「ご出席依頼人数3名」とありました。
2021年に公開されたドキュメンタリー映画「香川1区」では、この会社の女性社員に取材して文書の存在を紹介。
KSBは高松検察審査会が2024年7月に平井議員らの不起訴を「不当」とする議決を出したことを受け、8月に告発や議決の内容について解説するニュースを放送しました。
この依頼文書については香川県内の会社が「グループ会社に宛てて作成、送付したもの」だと2025年6月に明らかにしています。
原告の平井議員は、映画や報道について「パーティーの実行委員会が依頼文書の作成に関与してないことの裏付け調査を怠った結果、平井議員の信用を低下させ、総選挙に向けた政治活動の業務を妨害された」などと主張。
映画「香川1区」の大島新監督と製作会社のネツゲン、そしてKSBに対し、それぞれ1100万円の賠償や放送とウェブでの謝罪などを求めています。
高松地裁で5日に開かれた第一回口頭弁論で、大島監督側、KSB側ともに請求の棄却を求める答弁書を提出し、争う姿勢を示しました。