香川県三豊市詫間町粟島にある「漂流郵便局」の“局長”として知られる中田勝久さんが、11月9日に91歳で亡くなっていたことが分かりました。中田さんは、粟島で生まれ育ち。2013年から約12年間、局長を務めました。
「漂流郵便局」とは、2013年の瀬戸内国際芸術祭の際につくられたアート作品で、届け先の分からない手紙を預かって展示しています。芸術祭の閉幕後も、取り組みが共感を呼び、世界中から手紙が届いています。
「突然天国へ旅立ったおとうちゃんへ。お父ちゃん・お母ちゃんの子供に生まれて幸せだったよ」「コロヘ。東日本大震災の3月11日。コロは津波でいなくなっちゃったんだよね。ゆうれいでいいからあいたいよ」など、届けたくても届けられない手紙が寄せられ、その展示が、多くの人の心を打ちました。
2014年のKSBの取材の際、中田さんは「郵便には人生の悲喜こもごもが詰まっている。皆さんに読んでいただきたい。自分の体と局舎が持つ間は漂流郵便局を続けたい」と話していました。
三豊市によりますと、今後は、中田さんの遺族や地域のボランティアなどが、漂流郵便局を運営していくということです。
※漂流郵便局はアート作品です。日本郵便とは関係ありません