東ヨーロッパのルーマニアで議会選挙が実施されました。連立与党の左派政党が第1党になる見通しですが、複数の極右政党で得票の3分の1を占めるなど今後の連立の構図は不透明になりました。
ルーマニアの国営通信によりますと、1日に上下両院の議会選が実施され、開票率99%の時点で連立政権を率いる左派政党、社会民主党(PSD)が得票率約22%で第1党になる見通しですが、前回の2020年の選挙に比べて約7ポイント減っています。
社会民主党と連立を組む国民自由党も10ポイント程度減らし、約14%でした。
2位に付けたのはEU(ヨーロッパ連合)に懐疑的な姿勢を示す極右政党「ルーマニア人統一同盟」(AUR)で、約18%を獲得し、前回の選挙から約10ポイント増やしました。
現在の連立与党だけでは半数に届かず、また連立与党に批判的な極右系の政党などが両院で3分の1を獲得したと報じられていて、今後の連立の構図は不透明です。
ルーマニアでは先月24日に大統領選挙も実施されました。
1回目の投票で泡沫候補だとみられていた親ロシア派の極右候補のカリン・ジョルジェスク氏が1位になりましたが、その後、ルーマニアの憲法裁判所が再集計の命令を下しました。
憲法裁判所はジョルジェスク氏が選挙活動で使っていた動画投稿アプリ「TikTok」が彼に「優遇措置」を取ったことを理由としています。
憲法裁は今月2日までに1回目の投票が無効かどうか発表するとしています。
1回目の投票で、どの候補者も過半数に達しなかったため、8日に上位2人の決選投票が予定されています。