埼玉県八潮市の陥没現場で動きがありました。
1時間半ほど前からクレーン車を使った救助作業が再開されました。実に半日ぶりの救助再開となります。
そして穴に、はしごが下ろされました。
クレーンの先に取り付けられたリフトに隊員3人ほどが乗り、15分間隔でこれまでに2回、穴の中に隊員が入っていきました。
はしごや拡声器を持って中に入っていて、声掛けをするなど、全容把握をしているとみられます。
■新たに「巨大陥没」
上空からドローンが陥没現場の内部を調べます。
28日に八潮市の交差点で突然、道路が陥没。トラックが巻き込まれました。運転席には男性が取り残されたままです。
埼玉県 大野知事 「今後、陥没が拡大する可能性を否定できません」
陥没の範囲が広がる恐れがあり、救助活動は難航しています。
28日、最初に陥没した穴の大きさは直径約10メートル、深さは5メートルほど。この穴に男性運転手が乗ったままのトラックが転落しました。
当初、運転手とは会話ができる状態で、レスキュー隊による懸命な救助活動が夜通し続けられましたが、作業は難航。慎重にゆっくりと引き上げます。
すると突然、2度目の陥没が発生。飲食店の看板が落下し、電柱は宙づりに…。
陥没前と比べると、周囲にある飲食店の看板が落下。電柱が沈み込んだ様子が分かります。
新たな穴の大きさは長さと幅ともに約10メートル。深さは分かりませんが、1つ目の穴より大きいことが分かります。
■穴に転落 トラックの運転席は?
その後の作業でトラックが引き上げられましたが、荷台だけで運転席は見当たりません。消防によりますと、意図的に切り離したものではないといいます。一体、何が起きたのでしょうか。
上空からの映像には荷台の前方の運転席が土砂で埋もれているように見えます。
専門家によりますと、陥没した穴はすり鉢状になっている可能性があるといいます。そこにトラックは頭から転落。その後、土砂が流れ込み、運転席が埋もれたとみられます。
運転手とは28日午後以降、連絡が取れていません。
埼玉県によりますと、事故の原因は老朽化した下水道管の破損。
埼玉県 大野知事 「老朽化でガス・硫化水素などが原因である可能性がある。これが判明しているわけではない」
陥没した道路の交差点の地下10メートルほどの場所には道路に沿う形で下水道管が通っています。
下水の硫化水素が空気に触れて硫酸に変わり、溶かしてしまうことがあります。その破損部分に土砂が流れ込み、地中に空洞ができた結果、陥没が発生したとみられます。
■下水道の“使用制限”影響拡大
こうした事態を受けて約200世帯に避難指示が出され、一部の地域では下水道の使用制限も出されました。
近隣住民 「風呂もきのう入らなかった。一応、少し水はためてあるけど。少しっていうか、ほんのちょっとだけ。市の放送があったので、なるべく水は少なめ」
飲食店にも影響が広がっています。
中華平安 穐山学代表 「そっかそっか、生姜(しょうが)焼きは駄目だ」
下水道をなるべく使わないようにラーメン店はメニューを制限。
中華平安 穐山学代表 「きょうはチャーハンとか野菜炒めとか鍋使うのはやめて、毎回洗って流さないといけないから。まだ被害に遭われた方も救出されていないでしょ。だからこそ、なおさら今は…」
事故発生から30時間。この後、救助活動が本格化されます。