京都市で70代の夫婦が切り付けられた事件。公開手配された男と夫婦の間に何があったのでしょうか。
■犯行20分後の姿「公開手配」
4日、京都市伏見区で夫婦が切り付けられた事件。警察が殺人未遂の疑いで親族の男の逮捕状を取り、7日に公開手配しました。
周辺の歯科医院長 「歓楽街のような街でもないので、事件的なことがあったのは怖い」
事件が起きたのは住宅街が広がる京都市伏見区。4日午後3時半ごろ、「女性が『警察を呼んで』と言っている」と通報がありました。
そのトラブルがあった場所から車で10分ほどにある桃山南口駅近くで2件目の通報が入ります。
110番通報 「包丁を持っている人がいて、男女が刺されている可能性がある」
70代の夫婦が刺されたという通報。夫はほほや耳の付近。妻はあごや手のひらに切り傷を負います。切り付けた男は被害男性の車に乗って逃走します。
目撃した人 「70代くらいの女性が手とか首に血が付いていて、目撃者みたいな人が事情聴取されていて、だいぶおびえた感じで話していた」
■なぜ?住宅街で車が炎上
不可解な点は、さらにその十数分後。3件目の通報が入ったことです。
消防への通報 「車が燃えている」
その直後の写真。住宅街の道路で激しい炎を上げる車が見えます。映像には慌ただしく走る消防隊員の姿。灰色に燃え尽きた軽乗用車は逃走に使われていた車でした。
周辺住民 「ベランダからすごい煙が南の方に上がったので、火事だと思って。黒煙が普通の家の火事ではないと思って…」 「車が爆発した直後あたり、すごい炎に包まれていたという状況。私が5メートルくらいの距離で見ることができた。炎の熱さを感じるくらいの距離でものすごく一瞬で燃え上がった」
一瞬にして燃えたという車。短時間ですぐ燃えるものなのでしょうか。
元東京消防庁 麻布消防署長 坂口隆夫さん 「(車は)燃えにくい素材ですから、簡単に火は付かない。ガソリンをまいて火を付ければ、瞬時に燃え広がるから音もする。爆発的に燃える」
燃えた車は切り付けられた夫名義のもの。周辺からは刃物も見つかっています。
■逃走経路は?男を「公開手配」
現場はいずれも車で10分以内で行ける範囲です。
男はその後、南の方向へ徒歩で逃げたとみられます。夫婦が住んでいたのは大阪府門真市。車で40分ほどの距離でなぜ、伏見区に来ていたのかは分かっていません。
車を放置した10分後に撮られたのが7日に公開された写真。50代で中肉、身長170センチから180センチということです。
不可解な点は、なぜ車を燃えたのかです。
元埼玉県警 捜査1課 佐々木成三氏 「証拠隠滅だったり、捜査を攪乱(かくらん)する目的があったと思う。本来、逃げるためだったら車を使えばいいことなので、それをしなかったのは容疑者の何かしらの状況・環境があったかもしれない」
切り付けられた妻は、こう話しているそうです。
切り付けられた妻(※警察への取材から) 「50代の親族とみられる男に切り付けられた」
元埼玉県警 捜査1課 佐々木成三氏 「(容疑者は)理性を抑制できず、感情的になった可能性。自分の土地勘のない場所でこういった犯行をすること、犯行後の逃走の経路が自分ではできない。今回の犯行が浅はかな部分はあるかもしれないし、どのような目的で京都に来たのか。捜査で重要なポイントになる」