東大前駅で男が大学生を切りつけた事件で、逮捕された男の事件前の行動が新たにわかりました。(5月10日OA「サタデーステーション」)
■「狭いところならば…」
戸田佳孝容疑者の供述 「暴力事件を起こして社会に訴えかける」
7日、東京メトロの東大前駅で、男子学生を包丁で切りつけ殺害しようとした疑いで逮捕された、戸田佳孝容疑者。電車の中を犯行現場にした理由について、新たに供述していることがわかりました。
戸田佳孝容疑者の供述 「狭いところならば逃げられないだろうと思った」 「電車が到着したタイミングで事件を起こせば電車が長く止まることになり世間に与える影響力が大きいと考えた」
無差別に乗客を襲ったと見られる戸田容疑者。犯行までの足取りもわかってきました。供述によると、7日の朝6時半頃、長野県安曇野市の明科駅発の列車に乗車。その後、京王線高尾山口駅で乗り換え、新宿駅へ。ここで戸田容疑者が取った行動がありました。
報告・若林奈織ディレクター 「戸田容疑者は事件当日、午後3時過ぎに新宿駅西口周辺を徘徊。その後、周辺の商業施設に立ち寄ったといいます。そして午後3時半過ぎには、地下鉄・丸の内線の改札へと入っていったといいます」
■東大キャンパスに1時間半
東京大学の最寄り駅の一つ、本郷三丁目駅の改札を出たのは、午後4時5分頃。そして、東大前駅で事件を起こしたのは、午後6時53分です。その間のおよそ3時間、いったい何をしていたのでしょうか。
報告・若林奈織ディレクター 「戸田容疑者は東京大学のキャンパス内にも立ち入ったと供述しています。構内を散策したり、食堂をとったりと、滞在時間は約1時間半ほどだったといいます」
これまで、戸田容疑者は、動機について教育熱心な親のせいだと供述していました。
戸田佳孝容疑者の供述 「中学時代に親から教育虐待を受けた」 「東大を目指す教育熱心な世間の親たちに、あまりに度が過ぎると子供がグレて私のように犯罪を犯すということを世間に示したかった」
元神奈川県警捜査1課長の鳴海氏は、容疑者の行動について。
元神奈川県警捜査1課長 鳴海達之氏 「もし無差別だったら、どこでもいい。新宿でも渋谷でも人が集まるところならどこでもいいんです。東大前駅を選んだからには、それなりの理由が必要なので、それを本人が『教育虐待、それを象徴するのが東大だ』と言っているのなら、それなりに一理ある。動機と重なる部分があるのではと思う」
捜査関係者によると、凶器は数年前にネットで買った中華包丁で、その他にもう一本自宅から持ってきていたと言います。
■自称自営業も実際は「無職」
事件当時、戸田容疑者は長野県生坂村で暮らしていました。自宅の様子は、障子は破れたままで軒先には段ボールが山積みでした。
近隣住民は、戸田容疑者の職業について。
近隣住民(長野・生坂村) 「職業がIT技術者って言っていたから、在宅でも全然大丈夫っていう。それで在宅で仕事をしているんだと。だから(家に)いましたよ、たいてい」
警察に対し、「自営業」だと伝えたそうですが、捜査関係者によると、実際は無職だと言うことです。
今回の事件について、東大生は。
東大生 「(Q事件当日にキャンパスの中で食堂でご飯を食べていたと)何を考えているかわからなくて怖い」
警視庁は、計画性があったとみていて、詳しい経緯などを調べています。