急激な物価高が進むなか、毎日の暮らしに欠かせない商品を無料で手に入れることができる“共同の冷蔵庫”「コミュニティフリッジ」と呼ばれる施設が全国で広がりつつあります。
利用者 「お米もあった時もあった」 「(Q.物価高の中ですが?)めちゃくちゃ助かっています」
利用者が次々と品物に手を伸ばしているこちらは「コミュニティフリッジ」という施設です。
生活に困っている人たちを対象に、廃棄予定だった食品や日用品が置かれている、いわば“共同の冷蔵庫”です。
中にあるものはすべて無料。24時間いつでも入ることができます。
利用者にはメールでその日に入った品物が通知される仕組みです。
こちらのご家庭では。
5人の子どもの母親 「コミュニティフリッジでもらったコストコのパンです。冷凍しておいたものを出して、きのう作りました」
下は小学生から、上は成人まで食べ盛りが5人いるため、週に1回程度は利用しているといいます。
5人の子どもの母親 「普段は切り詰めている。たかだかお菓子1つと思われるかもしれないけど、それだって値上がりしてる。うちは子どもも多いので、その分、個数も必要。すごく助かっていますね」
品物を提供している側にもメリットがあります。
この日に届けられたのは、製造過程で割れた「せんべい」です。
まるそう一福 折橋紀弘CEO 「昔は廃棄していて心苦しかったけど、こういう場所が用意されているというのは、すごく私たちとしてもありがたい」
施設運営の草加商議所青年部 岩永将直会長 「食品を捨てるのにもお金がかかる。小さいお子様の母子家庭の方々が食べ物に困る。捨てるコストをなくして困っている方に届ける。困りごとと困りごとを合わせて、社会問題を解決しようという思いで活動している」
全国で広がりつつある「コミュニティフリッジ」は、急激な物価高に対する“秘策”となるかもしれません。
5人の子どもの母親 「こういう取り組みがあるから今、子どもたちもお腹を空かせずに食べているけど、逆にうちの子たちが成人したころには応援してあげられる立場になったらいいと思っています」