漁獲量が激減しているイイダコを増やそうと、高松市の漁協が沖合に卵を放流しました。
高松市の庵治漁協では2024年からイイダコの「産卵床」を育てています。「産卵床」とは産卵前のメスのイイダコを貝殻と一緒に水槽の中で育て、卵を産み付けさせたものです。
13日は漁協の組合員らが高松市庵治町の沖合に出て、あわせて約1万個の卵が入った産卵床43個を海に入れました。
今回はふ化したイイダコの「隠れ家」となるようカキ殻で作ったシェルターを初めて一緒に放流しました。
香川県によりますと、県内の海域でのイイダコの漁獲量は2002年の199.3tをピークに2009年以降、激減しました。
海水温の上昇で餌となる二枚貝などが減ったことや、イイダコを捕食するマダイやハモが増えたこと、漁や釣りで取り過ぎていることが原因とみられています。
これを受けて県の水産試験場などが2021年から産卵床の放流や漁や釣りの制限を設けるなどし、漁獲量は少しずつ回復しています。
(庵治漁協 底曳網部会/額田善光 部会長)
「(イイダコは)ほとんど絶滅に近いような状態なので、昔までとは言いませんけど、ある程度の量まで漁獲できるよう回復するのを願ってます」
(香川県水産課/湯谷篤さん)
「たくさんイイダコがとれた時は冬の味覚ということで楽しんだ思い出があると思います。資源が復活して皆さんの食卓に上がればいいなと思っています」
13日に放流した産卵床は2025年7月にシェルターごと引き揚げ、どの程度生き残っているのか調査する予定です。