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絵本で置き去り事故ゼロへ「たすけてブーブー」プロジェクト

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 暑いこの時期、特に注意が必要な、車内への置き去り事故。子どもたち自身で身を守るための方法を絵本で伝える取り組みが始まっています。

 先月発売された絵本「ぶたすけのラッパ」。主人公は森のほいくえんに通う、ブタの男の子「ぶたすけ」です。「パンどろぼう」シリーズなどで知られる柴田ケイコさんが描く、可愛らしいキャラクターが登場するこの絵本には、ある思いが込められていました。

 この絵本の作者「やまざきひろし」さんです。クリエイティブディレクター・コピーライターとして活動しながら作家として絵本制作を行っています。

 「ぶたすけのラッパ」は、子どもの車中置き去り事故を防止する「いのちを守るえほん」として作られました。

「ぶたすけのラッパ」作者 やまざきひろしさん 「閉じ込められた子ども自身も、自分で助かるアクションがあることが知られていない。もしかしたら誰かが気付いて助けてくれるかもしれないっていうのを子どもたちに一番伝えたかった」

 毎年のように繰り返される「車内への置き去り事故」。子どもが自ら助けを求めるための方法として効果的だと注目されているのが、クラクションを鳴らして周囲に知らせる方法です。

 「ぶたすけのラッパ」では、子どもたちがお話を楽しみながら、クラクションで助けを求める方法を自然と覚えられるよう工夫されています。

やまざきひろしさん 「うちは車持っていないんですね。そもそもクラクションがあることを知らない。うちの子どもは分からなくて、押していいのかも知らなかった。ぶたすけの鼻を押すとぶたすけのラッパが『ブー』って鳴る。そういうところをまず覚えてもらう」

 自身も2人の男の子を育てるやまざきさん。3年前、相次ぐ置き去り事故のニュースに「父親として何かできないか」と考え、絵本の制作に取り掛かります。

 そして、作画をお願いしたのがやまざきさん自身もファンだと話す、人気絵本作家の柴田ケイコさんでした。

やまざきひろしさん 「子どもだけじゃなく大人たちにも伝えたいとなった時に、柴田さんの絵はキャラクターもそうなんですけど、子どもだけじゃなく大人も楽しめるようになっている。柴田さんにお話ししたら『こういうことは絶対にやるべきだ』。柴田さんも協力してくださって一緒にプロジェクトが始まった」

 そうして立ち上げたのが、子どもの車中置き去り事故を防ぐための活動を行う「たすけてブーブー」プロジェクトです。その柱となる絵本の制作が進むなか、2023年4月には通園バスなどへの安全装置の取り付けが義務化されるなど公的な対策も進められました。

 しかし、やまざきさんは、事故を防ぐためには普段から大人が子どもへと伝えることが大切だと話します。

やまざきひろしさん 「『車に閉じ込められたらどうするんだっけ』って話をしたことがあるんですよ。そしたら子どもが『あ、クラクション押すんだよね』って言ってくれた。『じゃあクラクションはどこにあるの?』『ハンドルのところだよね』。絵本を読んだ瞬間だけでなく、その後の時間にいかにお話をできるか」

 「たすけてブーブー」プロジェクトでは楽曲を制作し、ぶたすけが登場する動画を配信。子どもたちが曲に合わせて楽しく歌いながらクラクションの鳴らし方を覚えることができます。

 今後は、企業や公的機関とも連携してプロジェクトを広めていきたいとやまざきさんは話します。

やまざきひろしさん 「絵本の価値は今この瞬間だけじゃなく来年も再来年も、またその先も伝えられる。『これを読んだよ』『おすすめしたいな』ってどんどん輪が広がっていくといいなと」

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