夏の高校野球・岡山大会の注目校を紹介します。備前緑陽には、部員1人という時期を経験しながら3年まで野球を続けてきた球児がいます。試合に出る機会を与えてくれた合同チームと支えてくれた親への感謝を胸に、最後の夏に挑みます。
部員わずか4人の備前緑陽で唯一の3年生、歳森啓太。今の2年生が入部するまで部員は1人で、平日は監督と2人で練習していました。
(備前緑陽/歳森啓太 主将)
「ゴロ取りとか、ひたすら先生のノック受けたり。サッカー部とか見たら人多いんで、楽しそうでいいなぁとか思っていました」
それでも、土日には合同チームでの活動がありました。備前緑陽は、部員の減少で4年前から合同チームを組んでいて、この夏は岡山御津・倉敷鷲羽とともに試合に出場します。
(備前緑陽/歳森啓太 主将)
「大人数でやった方が野球っておもろいんで。土日の練習はすごく楽しかった。自分は合同チームがなかったら試合もできませんし、公式戦も出れないんで、やっぱ合同チームでも試合に出れる喜びがあります」
今の合同チームの3年生で、1年生からずっと続けてきたのは歳森だけ。2024年の秋からレギュラーをつかみ、さらにはキャプテンを任されました。
練習試合を見守るのは父の昌伸さん。
(父・昌伸さん)
「勝ち負けは特に気にしてなくて、みんな楽しく、ただ、1点だけは取って帰ろうという気持ちで見てます」
合同練習や試合は倉敷市や岡山市でやることも多く、自宅がある備前市から1時間以上かけて両親が送り迎えをしています。
(備前緑陽/歳森啓太 主将)
「お父さん、試合になると声が聞こえるくらいでかい声で言ってくるんでちょっと恥ずかしいですけど、(両親が)毎回早起きとかして送ってくれたり、ご飯とか作ってくれたりしてるんで、感謝してます」
家族や仲間に支えられながら部員1人の時期を乗り越え、ここまで続けてこられました。
(備前緑陽/歳森啓太 主将)
「大事にしていることは最後までやり切ることですかね。結構自分的には濃い野球人生を送れているかなと思います」
(父・昌伸さん)
「試合しているのを見たら上手になったなと思うから、エラーなくヒットを打ってくれて、なんなら勝ってくれたらうれしい」
支えてくれた家族のために。そして、ともに戦うチームメイトのために……。歳森はキャプテンとして、合同チームとしては岡山大会史上初となる夏の1勝を目指します!
(備前緑陽/歳森啓太 主将)
「去年の先輩が結構いい試合したんで、今年は自分らがもっといい試合をして、勝ち切りたいと思ってます」