自民党の総裁選に候補者が相次いで名乗りを上げるなか、高市氏は沈黙を守っています。狙いは一体どこにあるのでしょうか。
■小泉氏 出馬意向を表明
まだ正式に出馬表明をしていない小泉農水大臣(44)。ですが…。
ベルギー クラランヴァル副首相 「重要な選挙があると理解しています。成功をお祈りしています」
ベルギーのクラランヴァル副首相も関心を寄せる自民党の総裁選挙。現状、5人の候補者が総裁の座を目指して動いています。
小泉農水大臣 「私から加藤財務大臣に選対本部長を依頼したのは事実です。そしてお受けいただいたということで、私としては大変力強く、心強く思っているところです」
小泉陣営の選対本部長に決まった加藤財務大臣(69)は前回の総裁選挙に出馬し、所得倍増などを訴えるも、9人中最下位に沈みました。
政治部与党キャップ 澤井尚子記者 「加藤さんを小泉陣営につないだのは、菅副総裁だとみています。加藤さんは菅さんとともに安倍政権を中心で支えた保守色の強い人物で、政策にも精通していて、菅政権では官房長官も務めました。小泉さんの陣営からは『去年の反省を生かして加藤さんに来てもらった。老・荘・青のバランスもよく、政策も左右にウィングを広げることができる」と喜びの声が上がっています。高市さん、小林さんといった保守系の陣営からは『うちに来てほしかった』とうらやむ声がある一方で、『加藤さんが入ると、財務省、財政規律の色が濃くなるので、党員からの人気はなくなるだろう』と冷ややかな見方も出ています」
加藤財務大臣 「私自身は、今回は応援団という立場で小泉候補を応援させていただきます」
■総裁選 候補者の動き本格化
石破内閣の閣僚からは、この人も…。
中谷防衛大臣(67) 「私は林芳正氏を応援したいと、求められれば推薦人になってもいいと考えております」
その林芳正官房長官(64)。16日、正式に出馬を表明しました。
出馬を表明 林官房長官 「この国のかじ取りをとってまいりたいと、そういう決断を固めさせていただきました。堂々と政策を戦わせてこの総裁選挙を戦い抜きたい」
一方、こちらも気合では負けていません。
自民党 小林元経済安保担当大臣(50) 「自民党にも世代交代が必要なんです。俺たちが変えるんだ、俺たちが切り開いていくんだ、そういう気概なしに党も日本も私は変わらないと思う」
16日、主な政策を発表。若者・現役世代に向けた所得税の定率減税、現役世代の社会保険料負担の軽減、ガソリン税の暫定税率のすみやかな廃止などを打ち出しました。現金給付については触れませんでした。
茂木前幹事長(69)はスーパー「アキダイ」を訪れ、物価の高騰を肌で実感…。
自民党 茂木前幹事長 「マッシュルームも高かったなぁと感じますし、物価高、生活支援、こういったこともやっていく必要があるなと思って」
茂木氏は物価高対策として、地域ごとに自由に使える「生活支援特別地方交付金」の創設を提唱しています。
物価高対策を巡っては、自民党と立憲民主党が給付付き税額控除に関する協議体を設置することで合意。給付付き税額控除は、総裁選の結果次第となりそうです。
■高市氏はどこで何をしている?
そんななか、ポスト石破5人衆の1人、高市前経済安保担当大臣(64)は16日も姿を見せませんでした。
政治部与党キャップ 澤井尚子記者 「高市さんの陣営としては、知名度はすでに十分だとして、慌てて表に出る必要はないと考えています。陣営の幹部は『しっかりとした国家観で、参政党などに流れた保守層を取り戻すことが大事だ』と話していて、高市さん本人も電話かけを行うなど、支持を広げるために動いているとみられます。政府関係者は『イタリアのメローニ首相が一つのモデルになる』と話します。メローニさんはイタリアで女性初の首相で極右政党の出身ですが、政権を取ってからは現実路線で穏健保守としてトランプ大統領とも親しい関係を築くなど、高い評価を得ています。高市さんも総理になれば、現実路線で外交を行うだろうと期待する声もあります」