記録的な水不足による影響が「食」にも出始めています。今人気の麻辣湯にも欠かせない 「ある食材」がピンチを迎えています。一体どういうことなのでしょうか。
■“貯水率ゼロ”隣のダムも危機
水資源機構 豊川用水総合管理所 上野英二副所長 「午後3時30分で貯水率ゼロになりました」
17日、貯水率がゼロとなったのは、愛知県新城市にある宇連ダムです。
農家 「井戸水も切れて、早く・リアルに水がないのを体験。水道から水が出なくなったらどうなっちゃうんだろうと不安」
すでに周辺の農園では、“水が出ない”事態も発生。
豊川用水総合管理所 水源管理所 近藤晶信所長 「満水ということを考えると、例えば台風が数個来ないとたまりきらない」
頼みの綱である、もう一つのダムも危機的な状況に置かれていました。
取材班が18日に向かったのは、貯水率ゼロの「宇連ダム」の隣にある「大島ダム」です。
大島ダムでも貯水率は8%を記録しました。
まだ水位があった時と比べると、急な斜面が露わになっています。上空から見ると道路のようなもの。
貯水率ゼロの宇連ダムとともに「大島ダム」は豊川用水の水源として、広い地域に水を供給しています。
1994年には「平成の大渇水」にも見舞われている、この地域。
渇水の深刻さを示す映像が残っていました。エプロンを身に着けて配膳したり…おいしそうにパンを頬張ったり。撮られたのは1995年の豊橋、小学校の給食です。
ただ、一般的な給食とは異なる部分が。
児童 「(Q.どう節水給食は?)ん~とねなんともいえん。まあおいしい」 「少しいやだ」 「(Q.どうして?)おかずとかがないし、飽きちゃう」
実は当時、市内の小中学校で導入された「節水給食」。調理や洗い物で使う水を最小限にしたものです。
この「平成の大渇水」でも宇連ダムの貯水率は、およそ3%。その宇連ダムの貯水率が現在はゼロになり、大島ダムが頼りなんですが…。
近藤晶信所長 「貯水量としては100万トンを切っている状態。このまま雨が降らなければ大島ダムも貯水量ゼロの可能性」
そもそも大島ダムが貯められる水は宇連ダムの半分にも満たない量です。
近藤晶信所長 「満水には例えば台風が数個来ないとたまりきらない」
■なぜ?渇水で麻辣湯ピンチ
水不足の苦しみが、もう始まっていました。
木耳のお店 喚田恵子代表 「水がないので(手作業)で水をあげている。ここがキクラゲの栽培ハウス、収穫して出荷する“キクラゲのお家”」
ふわふわタマゴや野菜と一緒に炒めたり、具材を選べて楽しいなどの理由から人気を集めている「麻辣湯」でも…こりこりっとした食感で活躍するキクラゲ。
「菌床(きんしょう)」で栽培され、通常2週間ほどあれば、ぷくっと肉厚に成長するキノコなんですが…。
喚田恵子代表 「こんなギュウギュウに(通常だと)芽が詰まらない。井戸の水が枯渇して、もうない状態。(水が)ずっと出ない状態なので、栽培もできないし出荷もできない」
スプリンクラーから水が出せなくなり、栽培不可能に。
喚田恵子代表 「菌床を水につけて、菌が死なないように湿らせている。水が切れると菌が死んでしまう、水につけて延命している」
地下水が枯渇しても、ダムから取水した農業用水への切り替えは可能だといいますが…。
喚田恵子代表 「宇連ダムの水がないとずっと言われていたので、皆の生活用水を使ってまで、栽培中心にするのはどうかなって。栽培をやめて、雨が降るのをひたすら待っている」
実は、こうした現象が県内の別の場所でも。蛇口から一滴も水が出ない事態が始まっていました。
■何が?渇水で農園に危機
ひねっても、ひねっても水が出ない蛇口。撮影されたのは貯水率ゼロ%の宇連ダムなどの水を利用する豊川市です。
「皮ごと食べられる」というバナナを栽培する農園で問題が起きていました。
ほのくにバナナ農園 早川知行さん 「私が今使っているのは井戸水なんですが、完全に干上がっている。ポンプを作動しても吸い上げない、水が出ない状態。井戸が枯れて自分のところではもう水が出ないので、近くの農業用水を引っ張っている人から水を借りて水やりをしている」
キクラゲと同じく、バナナ栽培にも水は不可欠です。
早川知行さん 「全部に水をあげることはなかなか難しい。生かす列、水をあげない列という形で、延命する株と死んでしまう株と分けてることも考えないといけない」
宇連ダム・大島ダムの周辺では、19日明け方ごろまで、まとまった雨が予想されていますが、ダムの水量を取り戻すほどは期待できない見込みです。