暮らしに密着した経済の話題を取り上げる「暮らし×経済」です。原油の高騰でガソリン価格以外にも暮らしの身近なところにも影響が出てきそうです。原油を原料としているものの一つに「プラスチック」がありますが、今後、暮らしへの影響は?
(中央化成工業/森啓祐 社長)
「こちらの印刷機の方で豆腐の木綿の印刷をしています。豆腐のパッケージの上のふたですね」
中央化成工業(本社・高松市)の香川県三木町の工場では、食品や日用品などのパッケージを印刷・加工しています。中央化成工業では1日に数万枚を製造しているということです。
パッケージに使われるフィルムやインクの原料は「石油」です。社長として初めて直面する「石油危機」に不安を隠せません。
(中央化成工業/森啓祐 社長)
「想定外のことになります。フィルムが弊社に入ってこない限り印刷ができませんので、印刷できるかどうか不安はあります。戦争が1日でも早く終わって日本に石油が入ってくることを祈ることだけです」
スーパー「全てのものが上がる可能性」
岡山市のスーパーでも。
(松木梨菜リポート)
「スーパーのお惣菜売り場でもほとんどの容器にプラスチックが使われています」
(グランドマート/岡本和恵 取締役)
「ウクライナ(侵攻)があったあとも2回ほど値上がりしておりますし、早くて3カ月、遅くて半年以内には容器(代)は上がってくるんじゃないかと思います」
グランドマートでは500円のお弁当の場合、種類にもよりますが容器代は約50円で、販売価格の約1割を占めています。この容器代の価格が上がると……
(グランドマート/岡本和恵 取締役)
「特にお惣菜。お弁当だと容器だけじゃなくて中身の原材料も上がってきていますので、5円~10円で企業範囲で補える範囲だとなるべく(価格を)上げないでがんばりたいんですが、10円以上の値上げとなると半分ぐらいは価格に上乗せしないと難しいと思います」
料品ではスナック菓子などほとんどの外装にプラスチックが使われています。
(グランドマート/岡本和恵 取締役)
「全てのものが上がる可能性を秘めているので、全ての商品の値上げとか、なるべくお手頃な価格で届けたいのが一番なんですけど、早くこの状況が改善されて皆さんの生活が安心して暮らせるものになるのが一番かなと」
(買い物客は―)
「そりゃ上がるでしょ。だからといって買わないといけないし、戦争が終わってくれないとどうにもならないことよね。私らは子育てが終わってるからどうにでもなるけど、これから子育てしていく子どもを大きくしていく(人の)生活が不安」
「ガソリンだけでもあれですけど、いろんなものに影響してくるから使い捨ての時代に慣れきっちゃてるから、日本はわれわれが小さい時はそういう時代じゃなかったので、どっちにしても戦争はだめですよね」
プラスチックは生活から切り離せず、今後の影響が心配されます。
どんなものの価格が上がる?
他にも考えられる原油高騰の影響は。原油は精製され、さまざまな石油製品がつくられています。
プラスチックが使われる電化製品、合成繊維が使われる洋服、合成ゴムが使われるタイヤ、シャンプーなどの洗剤など、身の回りにはたくさんあるのが分かります。
今後、何の価格がどれぐらい上がる可能性があるのでしょうか。
野村総研のエグゼクティブ・エコノミスト木内さんが、原油価格が3割上がった場合に価格に与える影響を試算しました。
日用品では、家庭用洗剤が約1割アップ、製造過程で使う電気代の上昇や輸送コストの上昇などにより食料品価格も上がると試算していて、野菜・肉全般で1.8%価格がアップし、養殖の魚では2.4%、卵は4.5%アップなどとしています。
専門家「いろんなものに価格上昇圧力が高まってる」
別の専門家は今後、これ以外にもさまざまなものの価格が上がる可能性を示唆しています。
(ニッセイ基礎研究所 主席エコノミスト/上野剛志さん)
「今後は原油を原材料とするものの価格上昇であったり、エネルギーを大量に消費するものの価格上昇だったり。輸送費がかかるものの価格上昇という形で、いろんな方向からいろんなものに価格上昇圧力が高まっているのが今の状況だと思います」
懸念されるのは、長期化です。
(ニッセイ基礎研究所 主席エコノミスト/上野剛志さん)
「数カ月いまの状況がつづく話になると、価格に転嫁せざるをえない判断をするところも増えてくるんじゃないかと思います。それに対して企業、政府、家計それぞれがどうやっていくかという世界になってきます」
中東情勢悪化の長期化が懸念される中、今後、生活を安定させるために固定費の見直しなど防衛策を考える必要がありそうです。
(2026年3月18日放送「News Park KSB」より)