旧香川県立体育館の解体工事を巡り、法律で義務付けられている「アスベストの調査が不十分な疑いがある」として、民間団体が17日、高松市と労働基準監督署に通報しました。
建築家らで作る「旧香川県立体育館再生委員会」が18日午前、記者会見を開いて明らかにしました。
香川県は2026年2月20日、解体工事業者が行った調査で旧県立体育館の中2階のホールなどの天井、約130平方メートルから有害物質「アスベスト」を含む吹き付け材が確認されたと発表しました。空気中への飛散は確認されておらず、県は「解体工事の中で適切に除去する」としています。
3月3日、解体工事費の差し止めを求めた裁判の手続きで、原告の長田委員長や専門家が裁判官立ち会いのもと体育館内部に入りました。その際、香川県が公表している以外の壁や天井にアスベストを含む疑いがある建材を確認したということです。
また1964年の体育館完成時に元請けの清水建設が作成した「施工記録」の中に、縁梁に生じたひびや亀裂の補修材に「アスベストの粉末を加えた」という記載があることも分かりました。
これらは解体工事の設計図書の仕上表には書かれておらず、再生委員会の長田委員長は「入札の前提となった工事費や工法などが変更になる可能性がある」と指摘しています。
裁判の中でアスベスト調査の報告書を開示するよう求めたものの、被告の香川県側は「開示するかどうかを含め、4月末までに回答する」としました。そのため、再生委員会は「解体が進んだ場合、アスベストの存在を後から検証することが困難になる」として監督官庁への通報と会見に踏み切りました。
(旧香川県立体育館再生委員会/長田慶太 委員長)
「(アスベストが)今ないとされてしまってます、このままいくと。ないように解体すると、粉塵が飛ぶことになります。きちんと手続きを踏んだ上で、住民にも嘘なく説明した上で解体に進んでほしい。たとえ(解体)するにしても」
再生委員会から情報提供を受けた高松市の環境指導課と高松労働基準監督署は、取材に対し、それぞれ大気汚染防止法と石綿障害予防規則などに基づき、「解体工事の元請業者にアスベストの事前調査が適切に行われているか確認した上で、不備があった場合は指導する」としています。
香川県営繕課は「アスベスト調査は裁判の争点にもなっているので現時点でコメントは難しい」としています。
また解体工事を確認・指導する「監理業務」の指名競争入札が2度不調になったことを受け、香川県は18日、解体設計業務を行った高松市の森勝一建築事務所と随意契約を結んだことを発表しました。契約金額は880万円です。
香川県は20日、近隣住民への解体工事の説明会を開き、3月中に解体工事に着手する予定です。
再生委員会の長田委員長は「不備が指摘されている解体設計を行った業者に適切なチェックができるのか。随意契約での委託も公金の使われ方として疑問」としています。