国税庁は通称「マルサ」が昨年度摘発した脱税の手口を公表しました。マルサはどのようにしてお金の隠し場所を見抜くのでしょうか。そこには人の「眼」が関係しているようです。
■バッグから4億 缶から1億
本来納めるべき税金を違法に免れる行為「脱税」が後を絶ちません。
過去には押し入れの床が電動でせり上がり、床下の隠し金庫からおよそ1億円が見つかったケースも…。
自宅などに現金を隠し持つ手口は次々と摘発されています。
国税局査察部、通称「マルサ」が2025年度に告発した脱税事件の総額がおよそ84億円に上ることが分かりました。
国税庁 藤野武広査察課長 「2025度は検察庁に82件の査察事件を告発、脱税総額は84億円」
1件あたりの脱税額は1億円を超えていて、過去10年間で最高額です。
法人税や消費税など合わせて1億5700万円ほどを脱税した罪に問われている、美容系インフルエンサーの事件や…海外との取引をめぐり法人税など1億2800億円ほどを脱税した罪に問われている輸入販売会社の前代表の事件など、近年、業種業態が多様化するなか、海外取引を利用した不正行為や、海外に不正資金を隠すなど手口が巧妙で悪質になっています。
その一方で昔から変わらないのが現金を自宅などに隠し持つ手口です。
部屋の棚に無造作に置かれたよう見える箱と紙袋ですが、中には札束が…その額6900万円です。 部屋に置かれたスーツケースとボストンバッグですが、開けてみると総額4億2300万円以上の札束が隠されていました。
これまでにも意外な隠し場所から脱税は発覚しています。
一見して床下収納ですが、収納ケースを外すと階段が。床下から金庫が見つかりました。
米びつの中には札束が隠され、電気ポットの中からは金地金。換気扇の排気口には債券が隠されていました。
マルサには現金が隠された場所を探し出す、伝統的なノウハウがあると、かつて取材でこう話しています。
国税庁 冨屋誠一郎査察課長(当時) 「隠匿の可能性のある場所。冷蔵庫の中、ソファーの下の裏側、じゅうたんの下、本棚の本の中。とにかくもれなく捜索すると、その際、相手の挙動を注意深く観察することが重要でありまして、チラリと視線を走らせた先に何かが隠されていることも」
チラリと視線を走らせた先が現金の隠し場所だったことも…。対象者の言動を注意深く観察することが秘訣だと話していました。
近年、脱税事件の国際化や複雑化が進んでいることを受け、国税庁は税務調査にAIを導入し、不自然な資金の流れなどを探っています。
藤野武広査察課長 「悪質な脱税者をしっかりと見つけて摘発させるということを皆さまからも期待されておりますし、私たちの使命だと思っております。そういう意味で新しい業種にも怯むことなく、査察はこんな分野にもちゃんと目を光らせているんだなと思っていただけるようにしっかりと取り組んでいきたいと思っております」