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岡山県立図書館のロゴ募集にデザイナーから怒りの声 賞品は5千円図書カード…知的財産の価値は

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 来館者数が13年連続日本一を誇る岡山県立図書館が今年9月に開館15周年を迎えます。これを記念して、現在、図書館の「ロゴマーク」を募集していますが、その条件をめぐって全国のデザイナーたちが「怒り」の声を上げています。

 岡山県立図書館が、より多くの人に親しみを持ってもらおうと企画したものです。7月31日が締め切りで、岡山県在住、または県内に通勤、通学している人なら誰でも応募できます。

(記者) 「ロゴマーク募集のチラシです。プロ・アマ、年齢は問わない募集なんですが問題になっているのは、最優秀の図書カード5000円分という賞品なんです」

(クオデザインスタイル/田中雄一郎 代表) 「言葉は悪いですけど侮辱された、否定されたような気がしますね。誰でも作れると」

 こう話すのは、岡山市でデザイン事務所を経営する田中雄一郎さん(44)。これまで15年間に岡山大学や、まび記念病院をはじめ、県内外の企業や店舗などのロゴデザインを100件以上手がけています。

 岡山市に6月オープンした日本酒店のロゴマークのデザインでは、店の思いを聞き取った後色や形、書体など微妙な違いを検証し、完成までに2カ月以上を費やしました。

(田中雄一郎代表) 「ちょろちょろっと描いて、この形がお絵かき程度でできたと思われるかもしれないですね」

 自治体のロゴ募集の賞金では、10万円から20万円のことが多いそうです。「図書カード5000円」という賞品は、県を代表する文化施設がロゴデザインという「知的財産」の価値をおとしめるものだと田中さんは憤ります。

(田中雄一郎代表) 「誰でもできる、もしくは報酬を低く設定しているということはあまり魅力を感じなくなるんじゃないか、モノを考えなくなる方向に行くんじゃないかという懸念も。それは飛躍してますけど」


 また、田中さんは、採用作品の著作権などの権利は図書館に帰属し、問題が発生した場合は全て応募者の責任という条件についても「パワーハラスメントのようなものだ」と指摘します。

 一体なぜこのような条件で募集をかけたのか?岡山県立図書館の担当者は取材に対し「2013年の10周年記念ロゴの 募集のときを踏襲した。当時なぜ5000円だったかは担当者が替わっていて分からない」としています。

 田中さんは、近く県立図書館に賞金額や権利の取り扱いの改善を求める「要望書」を提出する予定です。SNSで呼びかけたところ、23日までに全国のデザイナーなど100人から賛同の声が寄せられています。

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