水質汚染が長年の課題となっている児島湖で、水質改善の「奥の手」と期待されているのがテナガエビです。30日は、岡山県が進める増殖実験の中間調査が行われました。
(記者) 「テナガエビは今が繁殖期です。このメスは腹に卵を抱えています」
水質の悪化をもたらすプランクトンを食べるテナガエビ。児島湖での水質改善が見込めると、岡山県は去年6月から増殖実験を行っています。
(岡山県 環境文化部/杉田光 総括副参事) 「(児島湖は)20から30年前から比べるとかなりきれいになってるんですけども、まだ環境基準を達成していない。まだまだきれいにしていく必要があります」
(記者) 「ボートで出発しました。緑のような、茶色のような、結構濁ってますね」
今回の調査は去年6月に沈めたエビの育成装置を回収し、中に隠れたエビの個体数、大きさなどを調べるものです。
児島湖はかつて児島湾、海の一部でしたが、約60年前に国が農業用水などの確保のため堤防を設け、人工の淡水湖となりました。
ボートがポイントに着くと潜水士が潜り、装置を回収します。装置はカキやホタテ殻を詰めたカゴ。エビが育つ隠れ場になります。
(岡山県 環境文化部/杉田光 総括副参事) 「去年は小さいのが多かったんですけども、今回見た感じでは大きいのが増えてきています。成長してきてると思いますね」
県ではテナガエビの増殖を軌道に乗せ、水質改善のシンボルとして市民の関心を高めたいとしています。