机の上で学んだ知識を現場で生かせるようにします。新人消防士が火災現場での対応をきちんと理解できているか、香川県の消防学校で実技訓練が行われました。
訓練に参加したのは、4月に採用された消防学校の初任教育生43人です。訓練は3つのグループに分かれて取り組みます。
(訓練の様子) 「要救助者1名、2階に取り残されている模様。以上、出動!」
この訓練は鉄筋コンクリートの建物の1階から出火し、助けを求める人が2階にいるという設定です。
参加者たちは、救助用のはしごや放水の準備に取り掛かります。火災現場で大切なのは、隊員同士の情報共有です。
(訓練の様子) 「内部の構造としては、東側に階段あり」 「奥に?」 「奥に階段ある。奥側に要救者(要救助者)いる可能性あり、以上」
実際の現場では、不測の事態が起こることもあり得ます。1人の要救助者がいるとしか知らされていなかった参加者たちでしたが、実際に現場にいたのは3人の要救助者でした。
(記者) 「今、火災を想定した訓練を行っています。実際に火が燃えている建物の中に放水を始めました」
建物に人がいないことを確認して放水を行い、無事に火を消し止めました。
(初任教育生はー) 「自分たちが命を失っては市民の命を救うことはできないので、まずは自分たちの命を守ることから始まり、隊員の命を全力で安全確保しながら向かっていくという気持ちを実感できました」 「小さい頃から地域の方々にいろんなお世話になって成長してきたので、その分地域の方々に恩返しできるような、また、勇気を与えられるような消防士になれるようになりたいと思います」
初任教育生は9月30日に消防学校を卒業し、10月1日から県内の消防本部などに配属されます。