香川県のネット・ゲーム依存症対策条例に弁護士たちが異例の声明です。香川県弁護士会が「この条例は、憲法が保障する自己決定権を侵害するおそれがある」などとして、条例の廃止などを求める会長声明を発表しました。
(記者リポート) 「弁護士会が国の法案などに声明を出すことはありますが、県の条例に対しての反対声明は異例です。この声明を県議一人一人に郵送していることからも、かなり厳しい姿勢が伺えます」
条例は、子どもをゲーム依存症から守るための対策を定めたもので、今年3月、香川県議会が議員提案し、可決しました。このうち、18条の2項では、家庭におけるルールづくりとして「18歳未満のゲームの利用は平日60分、休日90分を上限とする目安」を盛り込んでいます。
香川県弁護士会では、この項目が憲法13条が保障する「自己決定権」を侵害するおそれがあるとして、条例そのものの廃止に加え、この項目の「即時削除」を求めています。
(香川県弁護士会/徳田陽一 会長) 「子どもが余暇時間をどう過ごすか、保護者がどのような教育を行いどう育てるか。そこに公権力がむやみに介入すべきではありません」
このほか、香川県内で条例規制を設ける必要があるほど、ネットやゲームの依存症が大きな社会問題になっている事実はないこと。ネットやゲームの有用性、正の側面を十分に考慮していないことも挙げています。
(香川県弁護士会/徳田陽一 会長) 「広く県民の意見を聞いていただいた上で、果たしてこの条例が正しいのかどうなのかというのをもう一度、県議会のほうには見直していただきたい」
声明は、25日、全県議会議員と香川県の浜田知事宛てに送付されました。
(香川県/浜田恵造 知事) 「(声明について)まだ十分、承知しているわけではありません。いずれにせよ憲法の理念や法令上の規定に反したものではないと考えております」