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「ゲーム条例は憲法違反で人権侵害」高校生と母親が香川県を提訴へ

 4月、全国で初めて施行された香川県のネット・ゲーム依存症対策条例をめぐり新たな動きです。高松市の高校生と母親が「条例は憲法違反であり、基本的人権を侵害された」として県を相手取って国家賠償請求訴訟を起こす準備をしていることが分かりました。

(訴訟の準備を進める 高松市の高校3年生/渉さん) 「現役高校生である僕が、香川県を相手取って裁判を起こすことで社会的インパクトっていうのが大きいと思ったんで誰かにやってもらうっていうよりかは自分でやるっていう思いが強かったです」

 訴訟の準備を進めているのは高松市の高校3年生、渉さん(17)です。未成年のため、親権者である母親(42)とともに原告になる予定です。

 渉さんは今年1月、ゲーム依存症対策条例案に反対する署名をインターネットで募り、595人分を県議会に提出しました。

 条例の素案には「18歳未満のゲームの利用は平日60分、休日 90分を上限」とする「基準」が盛り込まれていましたが、県議会の条例検討委員会が「家庭でのルール作りの目安」と表現を改めました。  そして今年3月、条例案を賛成多数で可決しました。条例に罰則はありません。

(訴訟の準備を進める 高松市の高校3年生/渉さん) 「科学的根拠が乏しい中での数値(時間の目安)が反映された条例が可決、成立して施行されたということには本当に憤りというより悲しかったですね」

 訴訟の代理人は、「夫婦別姓訴訟」など憲法や人権に関わる裁判を多く手掛ける岡山市の作花知志弁護士が務める予定です。

 作花弁護士は、この条例について「地方公共団体は『法律』の範囲内で条例を制定できる」とした憲法94条に違反すると主張します。

 条例制定前の今年2月、維新の会の音喜多駿参議院議員が質問主意書で、当時の条例案について政府の見解を質しました。  これに対する答弁書の中で、政府は「ゲーム依存症の発症を防ぐためのゲーム時間の制限に係る有効性及び科学的根拠は承知していない」としています。  つまり、国としてはゲーム依存症防止のために時間の制限をする「法律」を制定する予定はないと言えそうです。


(代理人を務める予定/作花知志 弁護士) 「国が『やる予定がない』と言ってるものを県議会が、『いや、それは根拠があるんだ』として果たして条例で規制できるのかというのは当然問題になりますよね」

 また、この条例は、18歳未満である渉さんと保護者の母親の双方にとって、憲法13条で保障されている自己決定権や幸福追求権、プライバシー権などを必要以上に制限していることも裁判の中で主張する方針です。

(代理人を務める予定/作花知志 弁護士) 「全国的にこれ(条例)が広まっていく可能性があって、でも立法が仮に基本的人権を侵害しているならば、それを そんなに広げていいのか」

 渉さんは、県内外を問わず、裁判の趣旨に賛同する人たちに呼び掛け、クラウドファンディングで訴訟費用を募ります。費用が集まり次第、香川県を相手取って国家賠償請求訴訟を起こす予定です。

(訴訟の準備を進める 高松市の高校3年生/渉さん) 「(Q香川県民や同世代の人へー)自分の地域にこのような条例ができたからといってそれを全面的に受け入れるのではなくて自分たちの声も発信してもらいたいですし、応援してほしいと思っています」

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