香川県丸亀市の美術館で窓にまつわる作品を集めた展覧会が開かれ、訪れた人を魅了しています。
20世紀美術の巨匠や著名な建築家など、ジャンルを超えて集まった58人の作品117点を展示しています。
窓からどこか不安げな顔をのぞかせている男性は亡命者。戦前の写真家、安井仲治の作品「流氓(るみん)ユダヤ窓」です。
1941年、ナチスの迫害を逃れて東欧を脱出してきたユダヤ人たちの、神戸での姿をとらえた連作の一枚です。
(中濱綾那リポート)
「こちらの作品は、3台の扇風機が動き、木製の窓を開けたり閉めたりしています。目的を持たない運動を表現しているということです」
スイスを代表するアーティスト、ローマン・シグネールの作品「よろい戸」です。
こちらは日本を代表する写真家奈良原一高が男子修道院や女子刑務所など外から隔離された世界に生きる人々の姿を表現した「王国」。
ポーランドの映像作家ユゼフ・ロバコフスキが自宅の高層アパートの窓から見える景色を22年間撮影し続けた映像作品も展示されています。
窓の魅力を再発見できる「窓展」は、2021年1月11日まで丸亀市の猪熊弦一郎現代美術館で開かれています。