香川県善通寺市の高校生が「コマ撮り」のアニメーション作りに挑戦し、その成果を発表しました。
テーマは「段ボールのPR」。出来上がった動画にはダンボールへの思いが込められていました。
善通寺第一高校デザイン科の3年生30人が今年度取り組んだ、課題研究の発表会です。
発表したのは段ボールをPRするアニメーション。在校生に加えて、県内外のクリエイターらが来賓として参加しました。
約20人が黒子となり、高さ2メートル70センチの人形を動かし、写真に収めていきます。
制作は2020年6月から。地道な作業を繰り返し、試し撮りを含めて撮影した写真は約1万2000枚に上りました。そのうち使ったのは889枚です。
段ボールのPRというテーマには、生徒たちの段ボールへの思いがありました。
(撮影を担当 デザイン科3年/白川美姫さん)
「物流においては無い物のように接しているというか、その中の製品が主役みたいなところがあって、脇役みたいな段ボールの存在を主役にした動画を作りたいと思って」
生徒たちに段ボールを寄贈し、制作を見守ってきた香川県三木町の段ボール製造会社の平井信明会長。
平井さんが掛けた言葉は、生徒たちが動画を制作するきっかけになりました。
(撮影を担当 デザイン科3年/白川美姫さん)
「段ボールは無理をしなくていい。雨が降ったら中に移動させればいい。新しい製品を作るのではなく、なじみ深い段ボールの姿をそのまま表現したいと思うようになりました」
撮影だけでなく、音楽や黒子の衣装など全てが手作り。約1分10秒の動画に段ボールへの愛を込めました。
(普通科2年/池田一葉くん)
「みんながアイデアを出して、8カ月間もやれているっていうのが素晴らしいと思いました」
(黒子を担当 デザイン科3年/小林好花さん)
「長時間持たなきゃいけない時とか、動きが決まりきらなかった時とか、そういうときにずっと同じポーズで止まっておくのがきつかったし、大変でした」
(グッドワーク/平井信明 会長)
「子どもたちが手になり、足になり、黒子という形であの段ボールを心あるものにしてることに感動致しました」
(撮影を担当 デザイン科3年/白川美姫さん)
「進学して新しい課題に取り組む上でも、思い出して頑張れるような経験だったと思います。身の回りにある健気な段ボールの姿から、いろんな人が元気をもらってくれるとうれしいなと思います」
段ボールのPR動画は、全国の段ボール業界の人に使ってもらえるようにYouTubeに公開しています。