緊急事態宣言の影響が漁業にも及んでいます。
特に高級魚は飲食店での需要が落ち込んで値段が下がっているため、漁師からは「燃料代にもならない」と悲鳴が上がっています。
(記者リポート)
「岡山市北区のスーパーです。普段スーパーではあまり見ることのない高級魚のハタや立派なメバルが並んでいます」
岡山市北区の新鮮市場きむら岡山大供店です。
魚介類に力を入れていて、約50種類を扱っています。
5月16日からの緊急事態宣言を受けて岡山県内の飲食店が時短営業や休業を続けているため、料亭などで使われるキンメダイやハタなどの高級魚の需要が減少しています。
そのため、販売価格は例年より2割ほど安いということです。
2020年の同じ時期には、一匹700円を超えていたという天然のタイもこの日は518円。
(新鮮市場きむら 岡山大供店/国元勇治さん)
「初めてです。高級魚の値段がここまで下がってくるのは」
一方、漁師への影響はー
倉敷市下津井で42年間漁師を続けている山本博文さん(64)です。
山本さんは主に高級料理店などで使われるアコウやオコゼを取っています。
(漁師歴42年/山本博文さん)
「普通の料理屋で使うタイやヒラメ、オコゼ、アコウがいっぺんに下がった。タコも」
下津井漁業協同組合によると、5月の緊急事態宣言前のオコゼの卸値は1キロ当たり約450円でしたが、現在は250円に。
山本さんも1日の漁で、2020年の同じ時期には約1万5000円の売り上げがありましたが、現在は約1万円に落ち込んでいるということです。
(漁師歴42年/山本博文さん)
「今年は、取れない魚でも相場が安い。取れて安いのは、漁師も取ったから単価が下がったと言えるが、取れないのに下がったらどうしようもない」