世界初の取り組みで島民の暮らしを守ります。
17日、高松市のベンチャー企業などが香川県三豊市の離島にドローンで医療物資などを運ぶ定期航路を開設しました。
高松市のドローン物流ベンチャー「かもめや」や、三豊市、香川大学など10の団体が17日午前、航路の開通式を行いました。この航路は三豊市の須田港と粟島の間の往復約8キロを結ぶもので、無人のドローンが片道7分半ほどで粟島に生活物資や医療物資などを運びます。
(野口真菜リポート)
「島民が電話やファクスで注文したものは、ドローンで粟島港に届けられた後、保冷バッグを使って(かもめやのスタッフによって)島民の自宅に運ばれます。午前中に注文すると、その日の午後には手元に届きます」
粟島は人口が約170人。そのうち約85パーセントが65歳以上で、常勤の医師はいません。遠隔での診療や服薬指導を実現しようと、かもめやなどは2020年7月からドローンで医薬品などを配送する実証実験をしていました。
今回開設した航路では半年から1年の間、1日1から3往復、悪天候時を除いて原則毎日ドローンを運航します。長期間、定期的なダイヤで離島向けのドローン航路が開設されるのは世界で初めてだということです。
(粟島の島民は―)
「非常に助かりますし、安心して暮らせます。今後ともよろしくお願いします」
(三豊市/山下昭史 市長)
「生活の不便さを少しでも解消するということは、その島に住み続けるという意識が生まれてきますので、もとあった利便性というか当たり前のものを取り戻していくということが今抱えている(人口減少などの)課題の解決の1つの要素になるとは思います」
(かもめや/小野正人 社長)
「素晴らしい自然と生活環境がある場所なんですね、そこに街と変わらない利便性が得られるということになると、新しい生活の仕方ができるようになるのではないかと思っています」
ドローン輸送は18日以降の雨が降っていない日から始まります。かもめやなどでは今後、より重い荷物も運べる機体や防水の機体を導入したり、周辺の島々へも展開したりする方針です。