冬になると流行が心配されるインフルエンザ。専門家は、今年は感染対策を行っていても昨シーズンよりもインフルエンザの感染者が増えるのではと予想しています。その背景には行動制限の「緩和」がありました。
岡山市北区の青山こどもクリニックでは、10月1日からインフルエンザの予防接種を始めました。
(青山こどもクリニック/青山興司 院長)
「新型コロナとインフルエンザが一緒になったときは症状が似てるものですから判別がつきにくいというのがあって。インフルエンザの予防接種を受ける人多いですね」
そうした中、2021年はワクチンの供給量が少ないといわれています。
(青山こどもクリニック/青山興司 院長)
「当初から今年は去年に比べて少ないといわれていまして。新型コロナの予防接種をつくらないといけないとか、その辺の問題があると思っています」
厚生労働省によるとインフルエンザワクチンの10月の供給量は昨シーズンに比べると約6割か7割程度にとどまる見込みです。
ただ、12月までには例年使用している量のワクチンが供給されるとみられています。
(青山こどもクリニック/青山興司 院長)
「(13歳未満の子どもの場合)できれば10月か11月ぐらいに早めに終えられるのが良い、1回目を」
(松木梨菜リポート)
「行動制限の緩和で人の動きが今後増えた場合にインフルエンザが流行するのではないかと専門家は分析しています」
(川崎医科大学 小児科学/中野貴司 教授)
「社会経済活動、さらには学校とかの行事なども去年に比べると解除される方向にあります。感染対策はしっかりと行っていても、人の動きが増えるとどうしても感染症は流行する可能性はあります」
政府分科会のメンバーで川崎医科大学の中野貴司教授がこう分析するのには、2020年の感染者の少なさを例に挙げています。
(川崎医科大学 小児科学/中野貴司 教授)
「人から人にうつる感染症ですから、抑制されていたことが大きな流行にならなかった理由だと考えています」
毎年冬になると1000万人以上の患者が出るインフルエンザ。しかし昨シーズンは約1万4000人と大幅に減少しました。
今シーズンの流行は人の動きが鍵を握ると考えています。
(川崎医科大学 小児科学/中野貴司 教授)
「新型コロナもある時期に熱が出て風邪症状が出る疾患が流行したら、いろんな意味で混乱します。感染対策を継続していただく。少しでも流行を最低限に食い止めることが必要だと思います」