生後6カ月以上の人を対象にした、新型コロナワクチンの無料の「秋接種」が始まりました。2023年は初めてコロナとインフルエンザが同時に流行することが心配される中、「同時感染」にも注意が必要です。
(松木梨菜リポート)
「高松市内のこちらのクリニックでも秋接種が始まりました」
20日から2024年3月まで行われる新型コロナの「秋接種」は、生後6カ月以上の希望するすべての人が「無料」で受けることができます。厚労省によると、全額を公費で負担する「特例接種」は2023年度いっぱいで終了となります。
(接種受けた人は―)
「怖いなと思いますね。増えてきてるなと思います」
(きゅうか内科クリニック/久加晴茂 院長)
「身近にかなり新型コロナの方がいらっしゃるみたいですね。ですから皆早め早めに接種に来られる」
コロナの感染者は岡山・香川でも増加傾向です。特に岡山県では、9月4日から10日の1医療機関あたりの患者数は17.45人でした。2週連続で増えていて、コロナの法律上の位置づけが5類になって以降、「最多」を更新しました。
感染症に詳しい専門家は、患者の増加には新たな変異株も関係していると分析しています。
(川崎医科大学/中野貴司 教授)
「オミクロン株の中でもエリスとかピロラ、これまでにかかった免疫とかワクチンでついた免疫をエスケープ(逃避)してしまう、こういったウイルスが流行るんじゃないかといわれてますけれども」
20日始まった秋接種では、オミクロン株の「XBB」に対応したワクチンですが、今後の流行に対応できるのでしょうか。
(川崎医科大学/中野貴司 教授)
「XBB対応の単価のワクチン(秋接種)で接種をすれば、エリスとかピロラに対応する中和抗体も上昇するということで、(効果に)期待はできると思っています」
さらに今、インフルエンザの患者数も増えています。
岡山県の4日から10日にかけての1医療機関当たりの患者数は4.30人で、「新型インフルエンザ」が流行した2009年に次ぐ過去2番目の早さで流行しているということです。
(川崎医科大学/中野貴司 教授)
「コロナとインフルエンザが同時流行することはあり得ると思います」
2023年、初めて同時流行となれば、両方に感染する「同時感染」も懸念されています。
(川崎医科大学/中野貴司 教授)
「全く同時に感染することもあるかもしれませんが、1日とか数日の間隔で複数の病原体に次々と感染する、時には一つの症状の程度が重くなったり、それぞれの症状が長く続くことは起こり得ると思いますので、注意しないといけないと思います」