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【解説】インフルエンザで学級閉鎖が相次ぐ 香川県では過去2番目の早さで流行入り 要因は?ピークはいつになる?専門家に聞く

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 2学期に入りましたが、学校では「学級閉鎖」が相次いでいます。原因は「インフルエンザ」。1医療機関当たりの感染者は、岡山県が9月3日までの1週間で「2.38」、香川県が8月27日までの1週間で「1.11」でした。香川県は9月1日に早くも「インフルエンザの流行入り」を発表。この時点での流行入りは、「新型インフルエンザ」が流行した2009年に次いで過去2番目の早さです。

医師「この時期にはやってるのは早い」

(香川県感染症対策課/石田つねお さん)
「例年、夏頃はインフルエンザは0人で動いておりまして。この時期にはめずらしい流行入りかと考えております」

 香川県の1医療機関あたりの患者数の推移を見ると、年末年始に患者が増え、基準となる「1」を超えたため、香川県は2023年1月13日に「流行入り」を発表。3月に入ってから減少しましたが、8月21日から27日の集計で再び「1」を超えたため、9月1日に再び「流行入り」を発表しました。

 高松市栗林町の「へいわこどもクリニック」でも6日、インフルエンザの検査を受ける子どもの姿もありました。

(へいわこどもクリニック/島田栞 医師)
「保育所とかで『インフルエンザが周りにいます』というので、検査してます。8月の下旬ぐらい、お盆明けて1週間ぐらいしてから、患者さんが増えてるかなという印象です」

(保護者)
「夏休み中にコロナにもなりましたし、インフルエンザまでかかったらつらいなと感じてます」
(4歳)
「病気大変だった」

(保護者)
「(インフルは)冬のイメージだったので、早いなと。気を付けないといけないと思います」

(へいわこどもクリニック/島田栞 医師)
「冬にはやるものが、この時期にはやってるのは早いと思います。今から学校生活にともなって増えてくると思います」

 香川県では、2学期になって学校の学級閉鎖はまだ出ていないということですが、患者数が増加しているだけに、県も警戒しています。

 一方で岡山県では、9月1日から6日までに18校の小中学校の学級閉鎖が発表されています。

 岡山県の9月3日まで1週間の患者数は1医療機関当たり「2.38」、すでに「流行入りの発表基準」を超えています。

猛暑が続く中で感染者増……要因は?

 猛暑が続く中で感染者が増えているインフルエンザ。この要因について、感染症に詳しい川崎医科大学の中野貴司教授は……。

(川崎医科大学/中野貴司 教授)
「一つは約2年間、ほとんど流行がなかったです。ということは、全くインフルエンザにかかったことがない人が集積していて」

 新型コロナの感染が広がった2020年3月以降、岡山・香川では、インフルエンザの患者が大幅に少なくなりました。結果、2022年12月まで2年半以上、インフルエンザによる学級閉鎖はありませんでした。

 コロナ禍で多くの人が感染対策を徹底したことで、インフルエンザなどにかかる人が減少。それによって、免疫を持つ人が減っていることが、今の流行の一つの要因と考えられています。

 これに加えて、中野教授は「インバウンドの復活」も関係しているのではないかと考えています。

(川崎医科大学/中野貴司 教授)
「オーストラリアなどは今、冬の時期です。インフルエンザの流行期ですね、地球の違うところで流行している。感染症が人と一緒に移動して、国内に持ち込まれることはあり得ると思います」

香川県では過去2番目の早さで流行入り。ピークはいつ?

 新型インフルエンザが流行した2009年に次ぐ早さでの流行入り。流行のピークはいつになるのでしょうか。

(川崎医科大学/中野貴司 教授)
「アメリカとかヨーロッパ、例年に比べて流行のピーク早かったんですね。そういった観点からは、早い流行のピークが来るかもしれないことは想定して準備しておかないといけないと思います」

 今後、インフルエンザの流行はどうなるのか……。新型インフルエンザが流行した2009年の1医療機関あたりの患者数を見ていきます。

 当時、香川県では8月10日から16日にかけて患者数が「1」を超え、流行入りしました。その後、患者数は増え続け、11月にピークとなりました。

 では、2023年はというと9月1日に流行入りとなっています。中野教授は、流行入りが2009年に次ぐ早さだったことや、今の世界の感染状況などを踏まえると、2009年と同じように11月に流行のピークとなる可能性もあると考えています。

 一般的に、インフルエンザの流行のピークは1月から2月とされているので、11月となればかなり早い流行となります。

「予防接種」で気を付けることは?

 そんなインフルエンザの対策の一つに「予防接種」が挙げられますが、インフルエンザワクチンは10月の接種開始が一般的です。例年より早い流行が予想される中、私たちが気を付けることは何なのでしょうか?

(川崎医科大学/中野貴司 教授)
「(ワクチンは)9月ごろから入荷が始まると思う。9月中は供給の半分以上が準備できるんじゃないかと言われているので……」

 インフルエンザワクチンの接種開始のタイミングは、65歳以上の人に関しては自治体が決めています。岡山市や高松市は10月1日です。

 一方、そのほかの人に関しては、医療機関の準備が整い次第、接種が始まるということです。

 中野教授は、できるだけ早いタイミングでの接種を考えてほしいとしています。

(川崎医科大学/中野貴司 教授)
「予約が取れる時点から、接種が希望の方は順次予約を入れていかれたらいいのではないかと思います。3週間待たなくても1週間、10日で免疫が高くなってくる思います」

 また、接種が可能になるタイミングよりも前に感染者が増えることが懸念されることから、中野教授は手洗いなどの基本的な感染対策を意識してほしいと呼び掛けています。

(川崎医科大学/中野貴司 教授)
「今回は幸いのところ、新しいウイルスが出てきているお話はありませんので、やはり感染対策、より重要になってくる季節と思います。大きな流行になってほしくないなと思っています」

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