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【特集】香川ファイブアローズを支えた笑顔 チアダンスチーム最後の応援 専属契約終了で

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 プロバスケットボールB2、香川ファイブアローズの専属チアダンスチーム「サニーアークス」。

 12年にわたってさまざまな形でクラブを応援してきましたが、今シーズン限りで専属契約が終わることになりました。それでも彼女たちは最後まで「笑顔」で応援し続けました。

 初めてプレーオフに進出するなど、今シーズン快進撃を続けた香川ファイブアローズ。ブースターと呼ばれるファンとともにファイブアローズを応援し続けているのが、チアダンスチーム「サニーアークス」です。

 彼女たちの出番は1分間のタイムアウトのうちの約45秒。この短い時間で、観客を盛り上げることに全力を尽くします。

 しかし……。

(サニーアークス ディレクター/新開セリナさん)
「私たちなんですけど、今シーズンをもって、香川ファイブアローズの専属チアダンスチームから卒業させていただくことになりました」

 この1カ月前、サニーアークスはクラブ側から「専属契約の終了」を伝えられていました。

苦しい時代をともに歩んだサニーアークス

 サニーアークスの結成は2011年。クラブ側とディレクターの新開セリナさんが合同で立ち上げました。ここ数年は専属契約という形でファイブアローズを応援してきました。

(新開セリナさん)
「苦しい時代からずっと一緒にやってきたので。誰かを応援するのとか、どんな時でも笑顔で元気にというのは本当に素敵なことだと身を持って感じているので、チアがなくなるというのはつらいなと思います」

 サニーアークスが初めて参加したシーズン、ファイブアローズは2勝50敗と、当時のリーグ史上最低の勝率で最下位に沈みました。この頃はクラブの運営が苦しく、資金を確保するためにサニーアークスのメンバーが会場でうどんを販売するなどしていました。

 サニーアークスのメンバーは、学生や社会人などさまざま。シーズン中は週に2日練習しています。ダンスの大半は、ディレクターの新開さんが振り付けしたものです。

(新開セリナさん)
「ここでこうやってあおったら、お客さんも手を叩いてくれるんじゃないかとか、いろいろ考えながら練習してました」

専属契約の終了に衝撃を受ける子どもたち

 新開さんは、サニーアークスの活動の一環として子どもたちにチアダンスを教えています。中には将来、サニーアークスに入ることを目指している女の子もいます。ファイブアローズとの専属契約の終了には子どもたちも衝撃を受けていました。

(スターティーンズのメンバーは―)

「自分は大きくなったらサニーアークスというチアのメンバーで踊りたかったので、ちょっとショックでした」

「アローズを盛り上げてくれていたので、いなくなるのが寂しかった」

 「サニーアークス」との契約終了を決めたファイブアローズ。映像や照明を使った演出を積極的に取り入れていくというクラブの方針の中での決断でした。

(ファイブアローズ/藤田秀彰 社長)
「サニーアークスさんには長い間応援していただいてすごく感謝しています。楽しいアリーナ作りを進めていきたいなと思うその一環で、一つの区切りがつける時期だったと理解していただければと思います」

(新開セリナさん)
「これからB1に上がるチームだし、一掃するのもありなんかなというのを話し合いの中で、私たちも納得した上でという感じですかね」

最後の舞台…メンバーの思いは

 今シーズン、ファイブアローズは初めてB1昇格を懸けたプレーオフに勝ち進みました。トーナメント形式で行われるこのプレーオフが、サニーアークスが応援する最後の舞台となります。

(練習でのメンバーのやり取り)
「もしかしたらこれが最後(の練習)かもしれへんな」
「負けたら」
「負けたら来週またねというのが」
「ない」
「もうすでに泣きそう」

Q.プレーオフはどんな気持ちで臨みますか?

(徳島明日香さん)
「ブースターさんの記憶に残ってほしいので、チアの存在が。それを考えてやり切りたいなと思います」

(宮崎萌さん)
「(サニーアークスに)6年いて初めてのプレーオフなので、すごく緊張します。自分たちも頑張ったと有終の美を飾れるように頑張ろうという感じです」

 プレーオフの1回戦。ファイブアローズは佐賀に2連勝し、準決勝に進出。

 仙台との準決勝は第1戦を落としたものの、第2戦で勝利。対戦成績を1勝1敗とし、第3戦までもつれ込みました。

(新開セリナさん)
「ここまで勝ってくれて、もう1回踊らせてもらえるというのは本当に幸せなことなんで、やっぱりファイブアローズが好きだなと改めてきょう思ったし、ファイブアローズのために、しっかり最後まで悔いが残らないようにパフォーマンスしたいなと思いました」

 勝てばB1昇格、負ければその夢が絶たれる運命の第3戦。ファイブアローズは、前半終了時点で大きくリードされてしまいます。そんな中でも、サニーアークスは必死に応援を続けます。

 終盤、ファイブアローズは意地を見せます。同時にブースターの応援もどんどん熱を帯びていきました。

(新開セリナさん)
「最後まで誰一人諦めずに応援してくれてる証があの音だったし、皆さんの熱量だった思うので、これがスポーツを応援する力だなと思いました」

 しかし、目指したB1昇格の夢には届きませんでした。

(新開セリナさん)
「負けたけど、この一体感は素晴らしかったので、これがアローズのパワーになると思うので、来年こそB1に行ってほしいと思います。最後にここまで連れて来てくれたファイブアローズに感謝です」

 ファイブアローズとともに歩み続けたサニーアークス。今後は、クラブからは離れ、チアダンスチームとして活動を続けていく予定です。

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