2022年4月に岡山市にオープンした英会話教室では、発達障害のある子どもでも楽しく英語が学べるよう工夫を凝らしたレッスンが開かれています。
岡山市北区の「英会話教室カノン」には「自閉スペクトラム症」と診断されたり、その傾向があるとされる子どもたちが多く通っています。
「自閉スペクトラム症」とは、対人関係の難しさやこだわりの強さなど、共通した特性が認められる、従来の「自閉症」や「アスペルガー症候群」などを1つの集合体とする考え方です。
同じ診断を受けていても、得意なことや苦手なことはそれぞれ違うため、カノンでは一人一人に合わせた工夫をしています。
(英会話教室カノン/末本梨恵 講師)
「不安をできる限り取り除いてあげたいなっていうのが一番大きくて。前もってきょう何があるよってスケジュールが分かっていた方がいい子には、視覚的に分かるように『いまこれをします』『これが終わったよ』っていうのを作って」
カノンを監修するのは、発達障害のある子どもをサポートする施設『ワルツ』です。教室を立ち上げたきっかけはワルツに通う家族からの相談でした。
(ワルツ 管理者/勢村真理さん)
「初めてのことが苦手とか、経験したことがないことが苦手なお子さんがすごく多くて、それを気にされているご家族なんかは、学校のこれから英語が始まる前に経験させておいた方が良いかなとか」
レッスンに通い始めて3回目の男の子。カメラが訪れたこの日、先生もびっくりのできごとが起こりました。
(男の子)
「ちょっとね、僕自己紹介する。マイネームイズ……」
(英会話教室カノン/末本梨恵 講師)
「あれは初めて見たのでびっくりして涙が出そうに……。自分の子どもってこんなことができるんだとか、(親は)すごいうれしいと思うんです」
レッスンではワルツでの手法をもとにイラストや気持ちを表すカードなどを多く使います。
こうしたレッスンは、発達障害のない「定型発達」の子どもにも好評で、問い合わせも増えているそうです。
(ワルツ・カノンを運営する Kubic/末本格 社長)
「自閉スペクトラム症の子たちでも伝えられるメソッドがあるっていう話なので、幅が広い英会話スクールだなって自分たちで後から気付いた」
カノンは現在「ワルツ」の1室で運営していますが、9月からは独立した教室を構え、より幅広いレッスンを行う予定です。
(英会話教室カノン/末本梨恵 講師)
「心配だったりとか不安に思ったりとかすごくあると思うんですけど、(英語を通じて)初めの一歩が踏み出せる協力ができたらいいかな」
英会話教室カノンへの問い合わせはメールアドレス(canon.okayama@gmail.com)、もしくはインスタグラムのアカウント(@canon.okayama)へお願いします。