参議院選挙にあわせ、「#ジブンゴト」と題し、岡山・香川のさまざまな職業や立場の人に、今の社会で課題だと感じることや政治に求めることなどをインタビューしていきます。
今回は、男性の「育児休業」について考えます。
国は、男女ともに仕事と育児の両立ができるよう男性の育休取得を促していますが、取得した男性としなかった男性、それぞれが感じたことを聞きました。
育休を取得した男性の「きっかけ」は――。
岡山市の情報通信関係の企業で働く山本祐輝さん(35)。
2020年11月、営業の部署にいた山本さんは第2子となる次男が生まれた際、5日間の育児休業を取りました。きっかけは4歳上の長男の子育て経験だといいます。
(育休を取得した/山本祐輝さん)
「妻1人で小さい子を育てる、特に生まれたての子を育てる時に寝不足もひどく、非常につらい姿を見て、できることなら休暇(休業)を取って参加したいと考えた」
ただ、取得した5日間の育休では短かったと感じています。
(育休を取得した/山本祐輝さん)
「1週間で子どもの声質やできること、成長スピードががらっと変わる。今思うとものすごく短かった。取れるならもっと長く取った方がいいと言いたい」
8割以上の男性が育休を取得せず、その理由は――。
厚生労働省が2020年10月に行った調査では、男性の育休取得率は約12.7%でした。前の年より5ポイントあまり増えましたが、まだ8割以上の男性が育休を取得していません。
精密機器の販売代理店で営業を担当している、岡山市の松田将一さん(30)もその1人です。
2022年5月、第一子となる長男の葵晴ちゃんが生まれました。会社から育休の取得について説明はあったものの「取らない」選択をしました。
(育休を取得しなかった/松田将一さん)
「社会的にも周りの人を見ても、取っている人がほとんどいなくて取りづらいなと。給料面と今の状況を考えて今回は見送ることを決めた」
改正育児・介護休業法が2022年4月から順次施行され、企業側に制度の周知や意向確認を義務付けるなど、より男性が育休を取りやすい雇用環境の整備を求めています。
松田さんの職場は同僚が5人しかおらず、長期間職場を離れるのが難しかったことや、これまでに前例がなかったことも「壁」になったそうです。
(育休を取得しなかった/松田将一さん)
「もっと取りたい人が手を上げやすいようになればいいなというのと、金銭面も子育ては掛かってくるので、その辺の補助もあれば。もっと社会的にも取りやすい世の中になれば。次2人目、3人目の時に取れればいいなと思う」
男性の育休取得率を上げるために必要なことは?
Park KSBアプリで男性の育休取得率について聞いたところ、「高めるべきだと思う」と回答した人が69%、どちらでもないが25%、「思わない」が6%でした。
また、男性の育休取得率を上げるために必要なことを聞いたところ、「ひとつの業務を複数人でできるようにしておく会社の体制(50代女性)」「臨時に派遣職員やパート職員を採用して育休を取得しやすい環境にする(70代 男性)」など、会社の仕組み作りや意識改革についての意見の他、「男性の育休が取れない会社にはペナルティーを設ける(50代女性)」など、取得の義務化を求める意見も多く寄せられました。