中四国最大級の野外ロックフェス「MONSTER baSH」、通称「モンバス」が8月、香川県まんのう町で3年ぶりに開かれることになりました。2021年は開催直前に県の要請で中止となったモンバス。プロデューサーに思いを聞きました。
(MONSTER baSH プロデューサー/定家崇嗣さん)
「去年もおととしも中止になっているんですが、2年分をぶつけて今年開催したい」
香川県まんのう町で2000年から開かれている「MONSTER baSH」は、例年、約5万人が来場する中四国最大級のロックフェスです。
新型コロナの影響で2020年は中止となり、2021年は2年ぶりの開催を目指し、準備を進めてきました。しかし、8月17日、香川県が「まん延防止措置」の対象地域に追加されることが決まり、県は主催するコンサートプロモーター「デューク」に対し、予定日に開催しないよう要請。
デュークは開催4日前というタイミングで中止を決めました。
(MONSTER baSH プロデューサー/定家崇嗣さん)
「もう何カ月も前からスケジュールを空けて、『この日だけは! この日だけは!』と思っていたお客さんのことを考えると胸が痛い」
会場の国営讃岐まんのう公園では、すでにステージなどの設営が進められていましたが、使われることなく撤去されました。
感染対策用に用意した来場者用のシートなども行き場を失いました。
(MONSTER baSH プロデューサー/定家崇嗣さん)
「準備がほとんど進んでいたものですから、公演日当日に使ういろいろなものがまんのう公園に届いてしまって。これ……開催もしないし、どうしようかな……っていう」
そこでデュークは、使用予定だったシートやリストバンドなどを返礼品にし、チケットの払い戻し手数料などに充てるためのクラウドファンディングを実施。1カ月ほどの期間で、目標の1000万円の5倍近い約4700万円が集まりました。
(MONSTER baSH プロデューサー/定家崇嗣さん)
「『中止しろ』という声に埋もれていたと思われる、『やってほしい』とか『モンバス大好き』というみなさんの、集まった支援金以上に、こんなに多くの人に応援されているイベントだったんだなっていうことを知れたのは、すごいうれしかったし、僕らが誰よりも勇気をもらいました」
一方、中止に伴う行政からの補償や支援はありませんでした。定家さんは、まん延防止措置の適用決定で急遽、中止を要請された経験から、行政には状況の変化に対応できる「柔軟さ」を求めています。
(MONSTER baSH プロデューサー/定家崇嗣さん)
「元々開催予定なのでやっていいですよとか、ルールが変わるタイミングがあったとしても、そこの幅に2週間とか1週間とか猶予があればとは思います」
開催できなかった2年分の思いも乗せ、「MONSTER baSH」は8月20日と21日に開催予定です。BiSHやスキマスイッチなど約50組の参加が決まっています。
(MONSTER baSH プロデューサー/定家崇嗣さん)
「もう売り切れになっている日もあったりして、『待ってました』というのをすごい感じています。この2年学んできた感染症対策ですとか、そういったところを生かして今年、2年分の知識で開催したいと思っています」