街中にあった映画館や野球場、遠洋漁業の基地など、半世紀ほど前の香川を捉えた写真展が高松市で開かれています。
香川県立文書館には1960年代から80年代にかけて撮影された香川県の風景や風俗、文化財などの写真が展示されています。撮影したのは元香川県の職員で写真家の安川満俊さんです。
安川さんは約1万3000点の写真やフィルムを残していて、今回はこのうち約100点が展示されています。
高松市田町にあった「高松東宝会館」です。1957年に開業しその後改装してスクリーンを増設しましたが、2004年に閉館しました。
今のさぬき市の津田港で撮影されたのは漁船団の出港の様子です。かつて津田港には北洋のサケや南洋のマグロなど遠洋漁業の基地がありました。
トラックに載せられて運ばれているのは「借耕牛」です。江戸時代から昭和の中頃まで、香川県の農家は夏と秋の農繁期に徳島県の農家から農作業のための牛を借りていました。
現在、高松市の中央公園がある場所は、かつてプロ野球の試合などが行われる野球場でした。
(香川県立文書館 専門職員/小野祐平 さん)
「今はもうなくなったもの、姿を変えて今も残っているもの、いろいろな写真があります。それを見て懐かしがったり、こんなものがあったとか、いろんな人に楽しんでもらえる、驚いてもらえる」
また、展示している写真の中にはこんなものもあります。
(記者リポート)
「こちらの写真、実は場所とか詳細が分からない写真なんです」
詳細がわからない写真については会場を訪れた人に情報提供を呼び掛けています。半世紀ほど前の香川の風景に出会える写真展は県立文書館で8月28日まで開かれています。