香川県の飲食店で6日から地元特産の食材を使った「まぼろしの漁師めし」というキャンペーンが始まりました。いったいどんな料理なんでしょうか?
高松市の居酒屋「KAJI PLA DINING」です。瀬戸内国際芸術祭の秋会期の会場にもなっている観音寺市・伊吹島特産の「釜揚げいりこ」を使った料理を、6日から提供しています。
焼いたカタクチイワシをクリームチーズと一緒に楽しめるオイルサーディン。そのお味は――。
(山下佳乃リポート)
「すっごく大きいです。いただきます。魚の油とオイルサーディンの油が絶妙にマッチしておいしいです。いりこの塩っけをクリームチーズがまろやかにしてくれます」
「伊吹島のいりこ」は讃岐うどんのだしに使われることで知られています。なぜ、こちらの料理が「まぼろしの漁師めし」なんでしょうか?
実は、伊吹島のいりこに使われるカタクチイワシの中でも「中羽」や「大羽」と呼ばれる大きいサイズのものは、脂が多く酸化しやすいそうです。そのため、煮干しとして出荷できないものは捨てられることも多く、地元の漁師さんなどしか食べられない、まさに「まぼろしの漁師めし」でした。
そんな貴重な食材が、加工技術の進歩により最近は島の外でも食べられるようになりました。しかし、まだまだ知名度が低いことから、百十四銀行が飲食店と協力して6日からキャンペーンを始めたというわけです。
(百十四銀行 地域創生部/入船真由さん)
「弊行ならではの地域に根付くネットワークを生かして飲食店とコラボさせていただいて、より地域貢献や地域活性化につなげていきたいと思い、させていただいた」
「まぼろしの漁師めし」は多くのお店で味わえます。
窯焼きバーグ「五十八」は普段はハンバーグなどの肉料理が中心のお店ですが、6日からサルサソースをトッピングした釜揚げいりこのフリットを提供しています。
(窯焼きバーグ 五十八/中條賢治 支配人)
「鮮度がとても良いのでうまみがすごく濃縮している。そこにしっかり目な衣をつけてフリットにすることで、中はふわっと、外はカリっと、ちょうどいい仕上がりにしている」
「まぼろしの漁師めし」、伊吹島の「釜揚げいりこ」を使った料理は、県内の37の飲食店で、10月6日から11月6日まで楽しむことができます。
(百十四銀行 地域創生部/入船真由さん)
「瀬戸内国際芸術祭の秋会期に合わせて伊吹島の振興にもつなげていけたら。香川県内のお客様に県産品の魅力をお伝えして、幸福感の高い時間を提供できたら」