2023年3月、野球の世界一を決めるWBC、「ワールド・ベースボール・クラシック」が開かれますが、2023年は「もう一つのWBC」と呼ばれる大会も開かれます。その日本代表に岡山から5人の選手が選ばれました。
手や足などに障害がある選手がプレーする「身体障害者野球」。その世界大会は「もう一つのWBC」とも呼ばれています。前回、2018年の大会には日本・アメリカ・プエルトリコ・韓国・台湾が出場しました。
2023年、5年ぶりに開かれることになった世界大会。その日本代表に岡山から合わせて5人の選手「早嶋健太・浅野僚也・井戸千晴・槇原淳幹・高月秀明」が選ばれました。
(日本代表に選出 岡山桃太郎/浅野僚也さん[27])
「封筒みたいなのが入ってて。日本選手に選ばれたことを通知します……『えぇ~』『マジで?』って、びっくりしました」
岡山桃太郎の浅野僚也さんは今回初めて日本代表に選ばれました。浅野さんは高校時代、倉敷商業で投手として活躍。エースナンバーも背負いました。
しかし、7年前の交通事故で利き手の右手が思うように動かなくなりました。
「岡山桃太郎」に入ってからはかつての「投手」ではなく「打者」として活躍しています。日本代表を意識するようになったきっかけはチームメートの存在でした。
(浅野僚也さん[2018年])
「目の前に早嶋がいるから、自然と意識するというか、早嶋みたいになればジャパンに入れるんだなという目標もある」
前回の世界大会で岡山桃太郎から唯一日本代表に選ばれた早嶋健太さん。投打にわたって活躍し日本の世界一に貢献、大会MVPにも選ばれました。
(岡山桃太郎/浅野僚也さん)
「早嶋が活躍しているのを見て、“うらやましい”というのと、“悔しい”というのと、“俺も一緒に選ばれたい”という思いがありました」
前回大会で悔しい思いをした選手はほかにも……。
(岡山桃太郎/井戸千晴さん[27])
「1個前の大会でも選ばれたかったんですけど、その時選ばれなかったので……」
井戸さんと浅野さん、早嶋さんは同じ学年。全員が、身体障害者野球では珍しい高校野球の経験者です。
2023年の世界大会では3人そろって日本代表に選ばれました。
(岡山桃太郎/井戸千晴さん)
「特に3人で結構頑張っていこうという思いは強かったので。何とか3人で活躍できたらという思いはある」
(岡山桃太郎/浅野僚也さん)
「どっちかというと4年間は早嶋と井戸とライバル……という感じではなく、みんなで頑張ってきたという4年間だった。早嶋には、もともとピッチャーだった僕の目線で伝えられることを伝えたいし、逆に早嶋には、今まで片腕でやってきた野球を教えてもらいながらやってます」
11月、秋の全国大会に出場した岡山桃太郎は日本代表に選ばれた選手たちが躍動! 見事大会3連覇を達成しました。
世界大会の日程などはまだ発表されていませんが、日本代表は2大会連続の世界一を目指して年明けに結団式を開く予定です。
(岡山桃太郎/浅野僚也さん)
「世界一になれるように、日本代表として選ばれたことを誇りをもって……僕の中ではただただ打つことだけ。日本中の誰よりもすごいバッターになることを頑張ります」