岡山県の和気閑谷高校では、障害がある選手のために特別な野球用グラブを開発する活動を続けています。
5月、難病で力が弱い高校生のためのグラブが完成しました。
5月9日、完成したグラブを受け取ったのは高校1年生の箕輪遥介君です。
箕輪君は筋力が低下したり感覚が鈍くなったりする先天性の難病で、握力は5キロほどしかありません。今は身体障害者野球チーム「岡山桃太郎」に所属しています。
岡山桃太郎と交流を続けている和気閑谷高校の野球部は箕輪君専用の特別なグラブを作ろうと、2020年12月から、岡山市のグラブ職人、森川徹也さんと打ち合わせを重ねていました。
約半年かけて完成したグラブは、力が弱い箕輪君の手に合わせたものになりました。
強度を保ちながらも可能な限り軽量化した結果、重さは約430gで、これまで箕輪君が使っていたグラブより100g以上軽くなりました。さらに、握力が弱い箕輪君でもボールを落としづらいようにとウェブと呼ばれる部分に、通常はない「返し」を付けました。
(高校1年生/箕輪遥介 君)
「手にフィットするし、捕れるし、感動がいっぱい詰まっている。自分の言ったものが形になるって、これよりうれしいことはないぐらい、うれしい」
障害に合わせたグラブ作りを支援するため、クラウドファンディングも行われました。
和気閑谷高校の野球部や岡山桃太郎の選手たちは、返礼品としてブレスレットやキーホルダーを手作りしました。
(和気閑谷高校/石野翔大朗 主将)
「岡山桃太郎のグラブ作りを知ってもらいたくて、クラウドファンディングでの動画を撮ったりしました。遥介の使っているところを見てとてもうれしかった」
和気閑谷高校は今後も、障害に合わせたグラブづくりの活動を広げていく方針です。