子どもたちの今をさまざまな角度から伝える「こどもミライパーク」です。今回は、部活動について。国は2023年度から段階的に、休日の運動部の指導を学校の教員から地域の指導者などに移行する、いわゆる「地域移行」を進める方針を示しています。香川県東かがわ市では、一足早くこの地域移行の動きを進めています。
11月12日、東かがわ市で大川・引田・白鳥の3つの中学校の合同野球チームが練習しました。指導していたのは、東かがわ市出身の野球経験者たちです。このうち、為久さんは平日は自営業をしています。
(指導員/為久裕希さん)
「地元がこっちなので、こういう形で子どもたちに関われて良かったなというのと、これから楽しみだなというのがあります。指導者としては初めてなので、中学生を教えるのは難しいなというのと、どこまで言っていいかというのも分からないんで、先生方に聞きながらやっていきたい」
(引田中学校 2年/岡田歩磨さん)
「いつもと違う新しいコーチとか監督とかなんで、やっぱりちょっと緊張するんで、それでちょっと疲れたかなって。自分の分からないことをどんどん聞いていって、距離を縮めていけたらと思います」
(大川中学校 2年/波柴蒼真さん)
「指導者の人数が多いんで、一人一人教えてくれるんで、楽しく野球をやらせてくれます。前向きです」
東かがわ市の中学校では平日、休日に関わらず学校の教員が部活動を指導していました。今後、平日はこれまで通り「部活動」として、休日は「地域のクラブ活動」として地域の指導員が指導します。
国の方針に従って2023年度から「地域移行」を本格的に進めるために、香川県では2022年度、東かがわ市のほか、高松市、三豊市、さぬき市でも「地域移行」に向けたモデル事業が行われることになっています。
岡山県では2021年度から早島町などの中学校をモデル校に指定して、部活動の指導を地域に移行する取り組みを進めています。
「地域移行」を進める理由の一つは教員の負担軽減です。
香川県教育委員会は、2018年にまとめた「教職員の働き方改革プラン」の中で、中学校教諭の6割近くが残業時間が月80時間を超えていると指摘。中学校・高校においては、部活動が休日出勤の原因の一つになっているとしています。
(大川中学校/小山圭 教頭)
「やっぱり土日をかなり犠牲にしているなというのは、実際、管理職をやって強く思うことなので、こういった流れ(地域移行)は、私としてはすごくいい流れなんじゃないかと思っています」
東かがわ市の中学校では今後、剣道やバレーボールなどの部活動も休日の指導を地域に移行する方針です。