美術館の学芸員が、それぞれイチオシの作品などを「あるもの」でアピールし、競い合うユニークなイベントが、9日、岡山市で開かれました。
(ラップバトルの様子)
「♪備前の国の岡山の一番推しの工芸はやっぱりやっぱり備前焼」
(来場者は―)
「美術とラップっていう組み合わせがおもしろそうだなと思いました」
「学芸員のラップバトルなんて聞いたこともないので、すごく楽しみにして来ました」
会場へと続く、長蛇の列。皆さんのお目当ては、学芸員のラップバトル!
多くの人たちに、美術館の魅力を知ってもらおうと岡山県立美術館が主催した前代未聞のイベント。意外な組み合わせがSNSなどで話題となり、約180人の観客が集まりました。
気になる出場者は?
(オリエント美術館 学芸員/四角隆二さん)
「人類文明の発祥はオリエント。まちがいないです」
オリエント美術館の四角隆二さん。
(倉敷考古館 学芸員/伴祐子さん)
「野にいる狛犬をどんどん推していきたいと思います」
倉敷考古館の伴祐子さん。
そして……。
記者「どういったご専門で?」
橋本さん「一応工芸品を主に担当しています」
記者「このお面は……」
橋本さん「工芸愛を表したいなと」
林原美術館の学芸員、橋本龍さんです。
個性的な皆さんですが、ラップバトルは初挑戦! 専門分野にかける情熱をリズムに乗せて客席へ届けます!
(ラップバトルの様子)
「♪備前焼の魅力は何? 釉薬使わない絵も描かない土の力と炎の力」
「♪オリエント美術館だからオリエント展示してる。だけど林原美術館、林原ってどこにあるの?」
「♪実は岡山城のお城の中にございます」
学芸員ならではの魂のぶつかり合いに、お客さんもノリノリ!
審査の結果、林原美術館がオリエント美術館を破り、最終決戦は、倉敷考古館との一騎打ちに。
(ラップバトルの様子)
「♪類型してって見ていく狛犬いろんな地域性が見えてくる」
「♪僕は倉敷考古館、小学校の頃に行きました。また今度行きますので伴さん案内してください」
勝負の行方は……林原美術館の橋本さんが、見事初代チャンピオンに輝きました。
客席からは、大きな拍手が。
(来場者は―)
「皆さんのそれぞれの、『推し』への愛が伝わってきて、私もぜひ(美術館に)行ってみたいと思いました」
「人柄がすごい出ていてよかったと思います。(Q.美術館愛は伝わりましたか?)すごい、十分に伝わりました」
(林原美術館 学芸員/橋本龍さん)
「緊張しましたが、なんとか無事に終わることができました。よその館をほめたのがよかったんだと思います」
最後に、ずーっと気になっていたあの質問をしてみました。
記者「お顔を見せてもらってもよろしいでしょうか?」
橋本さん「こんな感じでございます」
記者「おめでとうございます」
橋本さん「ありがとうございます」