岡山県吉備中央町が1月中旬からYouTubeで公開している、ある衝撃的な動画が話題になっています。
「吉備中央町長が逮捕される?」という衝撃的なシーンで始まるこの動画。もちろん本物のニュースではなく、吉備中央町のYouTube公式アカウントにアップされたものです。
実は4話連続のドラマ仕立てになっていて、第2話・第3話の「取り調べ編」では、逮捕された驚きの理由が明らかに。
(町長の供述/吉備中央町公式YouTube「取り調べ編」より)
「お金を配りました。子どもが生まれた人に100万円(子育て世帯応援金)。家を建てた人に120万円(住宅取得奨励金)を渡しました」
罪の告白……? かと思いきや、子育て世帯応援金など、町の取り組みをさりげなくPRする町長。
(町長の供述/吉備中央町公式YouTube「取り調べ編」より)
「お金をもらいました。太陽光発電とふるさと納税でお金を集め過ぎました(10億円)。ダメだったんでしょうか?」
いったいなぜ、こんな奇想天外な動画を制作したのか、町長に直接聞いてみました。
(吉備中央町/山本雅則 町長)
「まちがいなく吉備中央町のPRです。手厚い施策を打っているにも関わらず何も伝わっていない。若い人をターゲットにする上では、(SNSでのPRは)絶対に欠かすことはできない」
動画の企画・制作は、有志の職員5人が担当。若手の意見を積極的に取り入れました。また、フリーの編集ソフトを使うなど、経費をかけない工夫もしたそうです。
(動画制作を担当した職員/山本昌幸さん)
「(町長逮捕の動画は)大丈夫かな……と思ったけどそれはもう、やってもらわないかんと思って。若い人に見てもらいたくてインパクトのある映像を撮りたいと思いました」
ちなみに、クセが強めな刑事役を熱演したのは、農林課と福祉課の若手職員。
第1話は、これまで投稿した動画の中で最も多い8000回再生を超え、「楽しんでつくっているのが吉備中央町のいいところ」「攻めた企画だけどとても好きです」といったコメントも寄せられました。
(吉備中央町/山本雅則 町長)
「やってみて本当にまじめに町のことを考えて企画・制作してくれました。それに応えようと思って、私もどんな役が来てもやろうと。これからもいいアイデアをどんどん出してくれて、どんどんこき使っていただければ」