Park KSBアプリに皆さんから寄せられた疑問をもとにお伝えする「みんなのハテナ」。2月22日は「にゃんにゃんにゃん」で猫の日です。今回は猫についての疑問にお答えします。
岡山市の猫カフェ「ルアナ」。こちらでは約20匹の猫と触れ合うことができます。
(記者リポート)
「いました。いました。顔を洗っている猫ちゃんです。きれいにしてます。にゃんともかわいいですね」
「猫はなぜ顔を洗うのか」倉敷市 とし(69)
答えてくれたのは、福岡県の西南学院大学で猫の生態や人との関わりを研究している山根明弘教授です。
(西南学院大学 人間科学部/山根明弘 教授)
「顔の周りは、目も含めてよく汚れますので、餌食べますからね。だから猫は常に体をきれいにしますので」
たしかに、餌を食べると顔を洗っています。これは猫は本来、獲物を狩るハンターであることと関係しています。
(西南学院大学 人間科学部/山根明弘 教授)
「猫は狩りの仕方も『忍び寄り型』なんですよね。忍び寄っていく時に自分の体が汚れていて、においを発したりしますと、すぐに獲物に気付かれて逃げられるんですね。ですから、猫はいつも体をきれいにして、自分のにおいを消して獲物に近づいていくと」
ちなみに、猫が爪を出し入れできることや、足の裏の肉球がぷにぷにしているのは、獲物に近づく際の音を消すためです。
(西南学院大学 人間科学部/山根明弘 教授)
「皆さんもよくご存じの招き猫もこんな恰好をしてます。これもおそらく、実は猫が顔を洗っている姿をモデルにしたんじゃないかなと、最近考えたりしてるんですけども」
「猫は猫舌なの?」香川県 三木町(54)
(西南学院大学 人間科学部/山根明弘 教授)
「熱いものを食べられるのは人間だけです。火を使える人間だけですからね。だから猫は、獲物を捕まえて肉を食べますから、獲物の体温以上のものは食べたことがないんで」
山根教授は、猫は1度に多くの餌を食べられず、えり好みもあるため、人が与えた温かいご飯を残すことが多かったためではないかと考えています。
「猫と犬どちらが知能が高いの?」高松市 せとわか(68)
(記者リポート)
「ブランちゃーん(猫)、お手! してくれません……」
犬とちがって猫は、あまり人の言うことを聞かないイメージがあります。
(西南学院大学 人間科学部/山根明弘 教授)
「犬はもともと(祖先が)オオカミでして、群れで暮らしていますので、群れの中の相手の行動を見たりとか、相手に対して行動するということが、とても進化している動物なんです。その反面、猫は単独でひとりで暮らしてますから、どうしても他者に対するコミュニケーション能力というのは、犬に比べてないんですよね」
「だから、そういうところを見て犬の方が猫より頭がいいんじゃないかとか、言ったりしますけど、必ずしもそうじゃなくて。(猫は)獲物を見つけて、捕まえて、食べるということを、全部ひとりでやらないといけないんですよね。そういった意味の知能は、猫はものすごく高いと思いますので、一概に犬が賢いか、猫が賢いかというのは、あまり意味のあることではない、ナンセンスなことなんじゃないかなと」
「猫のゴロゴロは何?」岡山市 うっすさん(59)
(西南学院大学 人間科学部/山根明弘 教授)
「ゴロゴロと猫が喉を鳴らすとか言われますけども、あれは特に子猫が母親に対して発する声なんですよね。お乳に満足したとか、うれしいとか。ところが、猫も人間と暮らすようになってから、母猫だけじゃなくて、大人になってからも、人間を親と見立てて、そういった声を甘える時とか、ねだる時に出すように、猫自体も進化してきているということなんですね」
この『ゴロゴロ』という音、人への影響についても研究されているそうです。
(西南学院大学 人間科学部/山根明弘 教授)
「人間自体も、猫がゴロゴロいうそばにいると、気分が良くなったり、メンタルヘルスにつながるみたいな、そういった研究なんかもあったりします」
山根教授は、猫についてまだまだ分かっていないことが多いと話します。
(西南学院大学 人間科学部/山根明弘 教授)
「猫の研究をしてると、猫が本当に一生懸命生きているんですよね。その姿を見て、猫がどんどん大好きになって、今のように、猫なしでは生きられない人間になってしまった」