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【解説】新市民会館、マンション建設…“変わる岡山市中心部”にぎわいどうなる? 専門家「古さ生かした新しい整備を」

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 今回の解説は岡山市中心部の街づくりについてです。岡山市の新しい市民会館「ハレノワ」が6月4日にプレオープンします。施設の誕生により周辺に「にぎわい」は生まれるのでしょうか。

「岡山芸術創造劇場ハレノワ」が6月4日にプレオープン

(岡山市/大森雅夫 市長)
「本格的にワクワクしてきた、岡山に新しい文化の時代が到来するのかなと」

 岡山市の千日前地区に6月4日にプレオープンする「岡山芸術創造劇場ハレノワ」。

 大中小の3つの劇場を備え、劇場と一体となったマンションも整備されています。街ににぎわいが生まれることが期待される中、周辺では……。

 24日、大規模なマンション建設が発表されました。それが天満屋岡山店の向かい側、岡山ロッツの跡地です。

 この3000平方メートルほどの敷地に、不動産大手の「東京建物」などによる共同企業体が19階建ての分譲マンションを建設します。

(東京建物 関西住宅事業部/松井潤哉さん)
「天満屋さんもそうですし、表町商店街なども商業集積が進んでいると、駅前とは違った形でこれから発展していくだろうとわれわれは捉えています」

 このマンション建設が予定されている天満屋周辺とハレノワをつなぐのは「表町商店街」です。

 岡山市中心部では「JR岡山駅前」と「表町商店街周辺」のにぎわいの差がたびたび課題として上がっていて、市はこれまで回遊性を高めようとさままざまな取り組みを行っていました。

 「地価調査」では駅近くの岡山市北区錦町では10年連続で上昇。一方、北区表町では2009年以降上昇はなく、2022年までは3年連続で下落でした。

 ハレノワ誕生で、市は表町の活性化に期待を寄せています。

(岡山市/大森雅夫 市長)
「ここ数年間でここまで来た。これが劇場ができあがればさらに波及効果が具体に見えてくる。表町も大きな一つのコア(核)になって岡山の街を活性化させていくだろうと」

 ハレノワ誕生に合わせて、商店街もにぎわいづくりに取り組みます。

(岡山市表町商店街連盟/長谷川誠 理事長)
「68店舗、表町のお店が載ってる、これを参考にしてぜひ食事をして、1杯飲んで帰っていただけたらありがたいなと」

 商店街連盟の青年部と天満屋が共同で作った「グルメマップ」は、6月4日のプレオープンに合わせてハレノワの館内に設置されます。

 さらにハード面の整備も検討しています。

(岡山市表町商店街連盟/長谷川誠 理事長)
「いずれこれを撤去して有効利用できるんじゃないか、来ていただくお客さんに明るい商店街を通ってハレノワに行っていただいて」

 ハレノワから約100mの場所にある時計台の広場です。商店街は広場をイベントスペースとして使えるようにするため、時計台を「撤去」する方針です。

 また照明をLEDにしたり、カラー舗装の改修したりすることなども検討しています。

 しかし、課題となるのはやはり「費用面」です。

(岡山市表町商店街連盟/長谷川誠 理事長)
「何をするのもお金がかかりますので、それぞれの組合の懐事情もありますので、市の補助金を活用しながらということになります」

街づくり補助金とは?

 表町商店街が整備のために活用しようとしているのが岡山市の補助制度です。

 「商店街振興対策事業補助金」は、ハレノワオープンに合わせて「歩いて楽しい街づくり」を実現しようと岡山市が2023年度新たに設けました。

 期間は2024年度までの2年間で、カラー舗装やアーケードの改修照明のLED化について費用の3分の2から4分の3を補助します。

専門家「古さを生かした新しい整備を」

 商店街を整備する動きが進んでいますが、街づくりに詳しい専門家は「古さを生かした新しい整備」を提案しています。

(岡山大学大学院/中村良平 特任教授)
「せっかくなんで古さを古いところを『いい古さ』にして、昔ながらの商店街っていうんですかね。そういう中で新しさを出していくというんですか、市と外部の方にデベロッパーでも企画会社でもそこが入って街づくりをやっていくと」

 岡山大学大学院の中村特任教授が街づくりの例に上げるのが、大分県豊後高田市の「豊後高田昭和の町」です。

(岡山大学大学院/中村良平 特任教授)
「あそこも最初やる時に反対があってですね。徐々に昭和の町を長さを広げていった」

 「豊後高田昭和の町」は「昭和30年代のにぎわいをもう一度」をコンセプトに掲げ、2001年から本格的にまちづくりをスタートしました。

 そして、約10年かけて建物の改修などを進め、今では58店舗が「まちづくりのコンセプトにあったお店」に認定されています。

 街を訪れる観光客は、取り組みを始めた2001年は年間2万5千人ほどでしたが、新型コロナ禍前の2019年には40万人を超えるなど、大分県の観光名所の一つになりました。

(岡山大学大学院/中村良平 特任教授)
「ディズニーランド見ても常に新しい企画を出しています。同じ商店街であってもやっている中身が新陳代謝していく、お店自体が新陳代謝していかないと活性化しませんよね。何十年も言われてきたことで大きなチャンスはあったと思うんです。ハレノワ中心にやっていく必要があるし、みんなで考えないといけないと思います」

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